闇営業騒動で“名を上げた”芸能人(1)「動いた」松本人志

 ピンチはチャンスということか。2019年の芸能界を最も騒がせたといっていい初夏に発覚した吉本興業所属タレントによる闇営業騒動だが、奇しくもこの大問題が勃発したことによって、その評価を上昇させた人間がいる。

 ここでは、“笑いの総合商社”こと吉本の根幹を揺るがしかねない大騒動の最中に、然るべき振る舞いを見せたことで大衆の感心をさらったタレントたちを紹介していく。

 はじめに挙げるべきは、今や吉本興業の重鎮として君臨し、騒動発覚当初から当事者である雨上がり決死隊の宮迫博之に電話をかけ、真実を話すよう諭していたダウンタウンの松本人志だろう。同社の大崎洋会長を自身のデビュー当時から行動を共にする“兄貴”と位置付け、岡本昭彦社長はかつてのマネージャーだったことから、松本の幹部陣への影響力はズバ抜けて高い。

 実際、宮迫とロンドンブーツ1号2号・田村亮が7月にゲリラ敢行した涙の“糾弾会見”実施後には、多忙の中すぐさま吉本本社を訪れ、パワハラ発言の真相を岡本社長へ追及。自身のツイッターでも「松本、動きます」とツイートし、全吉本タレントの先鋒として頼れる一面を見せ続けたことは大きく評価されて然るべきなのかもしれない。

「同騒動を通じて、松本の素晴らしかった点はしっかりと自身がレギュラーを務める情報番組の中で宮迫らを咎め、隠すことなく自らも在籍する事務所のウミを出し尽くしたことでしょう。タレントの不祥事を圧力で覆い隠すという風潮を嫌う松本は、チュートリアル・徳井義実が所得隠しを報じられた際、収録日の関係で直後の放送回では徳井の件に触れられなかったとして、ツイッターの中でファンに説明しました。こういった行動の一つ一つが信頼を高め、宮迫を擁護するだけに専念した明石家さんまとは違い、バランスを保った状態で闇営業騒動をサバき切った印象ですね。実際、ネットでも宮迫の復帰に過剰な尽力を添えるさんまには非難の声が多く、“囲む会”までも開催したことについても冷ややかな反応が出てしまっています。一方、不祥事を起こしたタレントには、まずは徹底的に全てのウミを出させ、ある程度の時間を経てから自らの番組内で笑いに変える、というのが松本のスタイルです」(テレビ誌ライター)

 その後、有言実行とばかりに「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)や「炎の体育会TV」(TBS系)といった、宮迫のレギュラー番組にゲスト出演もしてみせた松本に対する“信用”は高まり続けていると言っていいだろう。

(木村慎吾)

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