歌手でタレントの和田アキ子が12月13日放送の「アッコにおまかせ！」（TBS系）に生出演。自身も参加してきたNHK紅白歌合戦の出場歌手の選考基準について疑問を呈している。
9人組ガールズユニット「NiziU」がCDデビュー以前に紅白への出場を決める快挙を達成したが、その異例とも言える選出の背景には、ネット上での動画再生回数や若者からの絶大な支持があったとされている。
番組では、NiziUのデビュー曲である「Step and a step」の“うさぎダンス”が、2021年のトレンドとしてブームになる可能性が高いと紹介。和田も現在の“NiziUフィーバー”について、「DA PUMPの『U.S.A.』みたいな、子どもが親と一緒に楽しめるってやつじゃない？ でも、デビューする前から話題になってましたからね」と印象を語った。
また、CDデビュー前の紅白決定に関しても、「こういう言い方したらすごい変だけど、嫌味でもなんでもなく、昔、紅白に出させていただいた時、当時は紅白ってどんなに歌がヒットしてもその年は出られなかったの。あくる年じゃないと」とかつての紅白と現在の紅白とでは出場に至るまでの基準やハードルが異なると指摘。和田自身も「どしゃぶりの雨の中で」（1969年）が17万枚を売り上げるヒットを飾ったものの、紅白への初出場が叶ったのは翌年3月にリリースした「笑って許して」（1970年）のヒットがあったからだと振り返っている。
かつてとの事情の変化に、和田は「今の子って、デビューもしてないのに…。どうなってるんだろうね、基準は。変わってる、時代は」と紅白の選考基準について私見を述べていた。
「和田が紅白初出場を飾った1970年の第21回放送では、平均視聴率が77％を記録しており、その前後の年でも70～80％の高視聴率をマークするなど、まさに“お化け番組”としての全盛期にありました。長く30～40％のゾーンから抜け出せず、昨年度の第二部では1989年以降の最低値を叩き出してしまった現在の紅白とは全く事情が異なります。また、紅白といえば、初出場を達成した歌手に対し、『出場おめでとうございます』と“上から目線”な挨拶をすることでも知られていますが、もはやあぐらをかいていられるような状況ではなくなったのかもしれません。テレビ離れした若い層を再び取り戻すべく、なりふり構わずデビュー前のNiziUにもオファーを出した今回の紅白選考基準について、ネットでは『歌手として長年努力し、ヒット曲を出して堂々と紅白に出ていた方から見れば、ボヤキたくなるだろうな…』とベテラン歌手に同情するものや、『今はテレビ以外のメディアが多様化している。テレビ以外で流行った曲を取り込むことで、テレビを見ない人の関心を集めたいんでしょ』といったNHK側へ理解を示す声もあった。また、和田自身もいわゆるヒット曲を長くリリースできていなかったにも関わらず、紅白の常連として毎年のように出場。過去のヒット曲ばかりを歌唱していた経緯があることから、『和田アキ子が紅白の選考基準について語るとは』『あなただってずっと“あの鐘を鳴らすのはあなた”しか歌ってなかったじゃん』との反論も出ています」（テレビ誌ライター）
また、基本的に紅白歌合戦を主催するNHKでは、「他人の営業に関する広告の放送をしてはならない」との大原則があるが、これについても規制を緩和する動きがあった。
NiziUと同じく、若者から絶大な人気を誇るシンガーソング・ライターの瑛人は、今年の紅白で初出場が決定。しかし、彼のヒット曲「香水」では世界的ファッションブランドの“ドルチェ＆ガッバーナ”のワードが歌詞に頻繁に登場するが、NHK側はこれを問題なしと説明。視聴率の低下をなんとか防ぐべく、紅白もいよいよ規制改革に乗り出しているのかもしれない。
（木村慎吾）
