7月スタートのドラマ「時をかける少女」(日本テレビ系)を巡って、世代間の差が話題になっている。原田知世の映画デビュー作となった1983年の実写映画版でも知られる「時かけ」だが、若い世代には2006年のアニメ版をオリジナルと思っている者も多く、「またもやアニメの実写化か!」との批判が巻き起こっているのである。
そんな世代間闘争の陰で、今回の実写化に不安感を抱くのはテレビ誌のライターだ。
「原作が何かという話より、問題なのは今回の演者です。重要な役割を果たす未来人の深町役に、Sexy Zoneの菊池風磨が起用されたことには心底ガッカリしました。深町はキリッとして落ち着いた風貌の役者が演じるべきですが、菊池はせいぜい『GTO』(フジテレビ系)で演じたような学生役がお似合い。そんな彼を起用してもジャニーズのゴリ押しと敬遠されますし、よもや『時かけ』をイケメンドラマに改悪するのではという懸念さえ感じますね」
深町は2122年からやって来た優秀な研究者で、現代では高校生として生活しているという設定だ。それゆえ見た目が大人すぎてはダメで、それでいて賢さも感じさせる必要がある。21歳の菊池はヤンチャ坊主的なルックスで高校生役は無理なくこなせそうだが、優秀な科学者には到底見えないのが正直なところ。ほかに選択肢はなかったのだろうか。
「どうしてもSexy Zoneから起用したいなら、まだ佐藤勝利のほうがマシだったはず。まだ19歳と若いうえに、顔つきは菊池よりよっぽどキリッとしています。3年前にドラマ初主演した『49』では亡き父親の魂が乗り移った高校生役を好演し、演技力も悪くありません。ともあれ菊池主演の『時かけ』ではもはや、ヒロインに抜てきされた19歳の黒島結菜に期待するしかないでしょうね」(前出・テレビ誌ライター)
なぜ佐藤ではなく菊池だったのかは不明だが、いまやジャニーズ系のキャスティングでは制作陣よりも、ジャニーズ事務所の意向が優先されるのは明らか。今作に関しては「時かけ」史上における黒歴史になることを、今から覚悟しておいたほうが良さそうだ。
(金田麻有)