さて、このタイトルを見て「それはもう、健康的な食は幸せな恋愛につながるでしょう」と感じた方はいらっしゃいますか? たぶん、多くの方がそう感じたと思うんです。でも、よく考えてみてください。「健康的な食」「幸せな恋愛」とは何なのでしょうか。
あなたにとって幸せな恋愛とは、「好きな人を好きと思う分量以上に愛されること」でしょうか。「望むだけLINEの返事が来ること」でしょうか。「今年中には婚約して望むような場所にほどよいキレイさでほどよい広さのマンションを購入し、新婚生活を始めること」でしょうか。あるいは、「出産したら専業主婦になりたいという希望が叶い、彼のご両親との同居はしなくていいから介護もしなくていいという確約をもらうこと」でしょうか。
あなたにとって健康的な食とは、「毎週、無農薬の野菜と無添加の食材や調味料が手元に届き、最高級の国産小麦と最高級のバターで焼き菓子を作り、糖分はナチュラルなゼロカロリー甘味料のラカントか国産ハチミツを使用したお料理しか口にしない食生活」でしょうか。「バターも使わない」ことでしょうか。「お肉やお魚を食べないヴィーガンな食生活」でしょうか。それとも、「どうせなら自分の田畑で徹底して育てたお野菜と果物だけをよしとする」ことでしょうか。
みなさん、いかがですか?
ここで述べたいのは、多くの情報の受け手のみなさんは、情報(とくにタイトル)の“文字づら”だけを追いかけないで欲しいということです。それでは本当に欲しい情報は手に入りません。まずは、自分にとっての健康とは何か、幸せとは何かを考えるところをスタートラインとしてください。その上で情報収集です。
例えば、「白い砂糖の摂取を控えると、イライラしにくい恋愛関係に繋がるのか!?」というタイトルの記事なら、答えはひとつです。白い砂糖の過剰摂取はイライラの元と実証されていますので、これを控えたらイライラの減少に繋がる可能性は高いのでしょう。
でも、健康的な食生活が幸せな恋愛に繋がるのかは疑問です。前述のような、ごく一般的な“健康”や“幸せ”という基準が成立するとして、「健康的な食生活は幸せな恋愛に繋がる場合が多い」とは言えるかもしれません。しかし、中には「孤独で満たされないような恋愛をしていたい」という方もいて、そういう恋愛がその人にとっての幸せな恋愛の定義なら、話はまったく変わってきてしまいます。
言葉って難しい。だからこそ、言葉を尽くしてみなさんにとって有益な恋愛情報をお届けしたいと思います。ひとまず今回は、あなたにとっての「幸せな恋愛」とはどんな恋愛かを考えてみませんか? そして、あなたにとっての「健康的な食」とは? そして、そのふたつは繋がるのか繋げたいのか? ゆっくり考えて、あなたの出した答えに向かってみてくださいね。
安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCとしても活躍中。