演出家で映画監督だった蜷川幸雄氏は、多くのジャニーズタレントを一流の舞台俳優に育て上げた。古くは東山紀之、男闘呼組時代の岡本健一、SMAP時代の木村拓哉、V6時代の森田剛と岡田准一。嵐・松本潤や生田斗真もスパルタ稽古に耐えて、より大きく成長した。
晩年、車いす生活になった蜷川氏が演出したのは、KAT-TUN・亀梨和也と高畑充希主演の「青い種子は太陽の中にある」。15年に上演された同作は、寺山修司の戯曲を舞台化した音楽劇。亀梨は、歌唱が多い同作に備えて喉のケアを怠らなかった。それでも、「もし明日声が出なかったらどうしよう」と不安にかられる毎日だったという。
そんな稽古期間中、B’zの稲葉浩志と食事をする機会があった。不安な胸の内を明かすと、「俺もあるよ」と応じてくれた。
「30年近く(当時)音楽をやっている大先輩の稲葉でさえ、『ライブツアー前は声が出なくなる夢や、歌詞が…っていう夢は見るよ』と言ったそうです。そのうえで、『そうして不安に思うことはいいんじゃない? 緊張感、真摯に向き合ってることじゃない?』と言ってもらって、亀梨は肩の力がスーッと抜けたそうです」(週刊誌記者)
稲葉といえば、ジャニーズでは木村拓哉との交友が最も有名。2人をつないだのは、共通の趣味であるサーフィン。ハワイのマイナーなサーフポイントを偶然同じ日に訪れていたことで、意気投合した。00年には、木村と常盤貴子のダブル主演ドラマ「Beautiful Life ~ふたりでいた日々~」(TBS系)で、B’zの「今夜月の見える丘に」が主題歌として起用。17年の木村主演ドラマ「A LIFE~愛しき人~」(TBS系)でも、B’zの「Still Alive」が主題歌となった。18年のB’zのデビュー30周年記念ライブツアーには、木村がシークレットゲストで出演。20年にリリースされた木村の1stソロアルバム「Go with the Flow」では、稲葉が「One and Only」の歌詞を書いている。
「木村ほどではありませんが、亀梨と稲葉は互いのコンサートを行き来する仲。亀梨のソロコンサートに、稲葉から花が届いています。KAT-TUNのデビューシングル『Real Face』は、B’zの松本孝弘が楽曲を提供。何かと縁が深いのです」(前出・週刊誌記者)
亀梨は今年、ジャニーズ事務所に入所して25年の節目。芸能活動の幅をさらに広げていきそうだ。
(北村ともこ)