9月7日、ついにジャニーズ事務所が創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害の事実を会見で認めたが、その後も“沈黙”を続けているのが元SMAPリーダーの中居正広である。
会見には、藤島ジュリー景子前社長と東山紀之新社長、そして、ジャニーズアイランドの井ノ原快彦社長が出席し、ジャニー氏による性加害について謝罪した。また、長く同氏を恩師として崇めてきた東山社長は、発覚した性加害を「鬼畜の所業」と表現し、“愛情はもうなくなった”とまで言い放っている。
他の所属タレントもそれぞれの媒体からジャニー氏との“決別”を次々に表明する中、中居は9日放送のニュース情報番組「中居正広のキャスターな会」(テレビ朝日系)に出演するも、喜多川氏による加害問題は取り上げず“スルー”した格好に。番組では、秋の食中毒で気を付けるべき例として、サバやサンマなどが要注意であるとレポートしたほか、お笑い芸人・劇団ひとりと共演したソフトバンクの新CMの話題などを扱っていた。
中居は、1987年よりジャニーズに所属し、20年3月まで在籍。退所発表の会見では、当時副社長だった滝沢秀明氏に「かっぱらってきてくれ」と頼んだジャニー氏の遺骨を小瓶に入れて持参したことで、注目されたこともあった。
「中居が見せてきたジャニー氏への想いは相当に強いものがあり、これまでにも数え切れないほど多くの番組内で、ジャニー氏とのエピソードを披露しています。そのため、話したくない事情がある可能性もありますが、やはりニュースを扱う番組のキャスターとして、今回の“言及ナシ”には『ジャニーさんへの恩義があるのはわかるけど、さすがにおかしい』などと失望する声が続出。また、すでに03年の時点でジャニー氏の性加害の真実性が裁判で認められていたものの、中居を始め、多くの所属タレントらはジャニー氏のユニークな人間性をアピールするトークを続けていました。その点についても、ネットには“世間に向けてジャニー氏のキャラを作り上げた人。裁判後も変わらずにネタにするから、そんな悪い人じゃないんじゃないかと思った部分がありました”といった意味の声や、『中居くんのジャニーさん話で、ジャニーさんをイイ人だというイメージを持った人は多い。だからこそ伝える義務がある』との指摘が見られました」(テレビ誌ライター)
中居が頻繁に披露していたジャニー氏の“イイ人”エピソードを聞き、子供を安心して事務所に入所させることができた親もいたかもしれない。やはり、この問題への言及を避け続けることには、無理が生じてくるのではないだろうか。
(木村慎吾)