スペイン1部レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英による“古巣批判”が止まらない。本拠地レアレ・アレーナにて開催されたラ・リーガ第5節のレアル・マドリード戦では、試合前と試合後のいずれにおいても波紋を呼ぶ発言があったとして現地メディアに取り上げられている。
久保は2019年6月にレアルへ移籍したが、世界最高峰の競争力を誇るメガクラブとあって、同年8月にはマジョルカにレンタルで加入し、武者修行を積むことに。
その後もシーズン終了を迎えるたびにビジャレアルやヘタフェなどを転々とする“レンタルの日々”を繰り返し、レアルでの公式戦デビューは叶わないまま、22年よりソシエダで主軸として君臨。現在もレアルには久保を買い戻す権利を有しているが、久保にはその願望や意欲がもう残っていないのかもしれない。
というのも、第5節の試合前に応じたインタビューで、久保は対戦相手である古巣・レアルへの想いを聞かれ「マドリーはボクの元チームだと言うけど、公式戦デビューもしてないし、いつもレンタル移籍ばかりだったから、良い思い出がない。今はソシエダでの日々に専念しているし、レアルは古巣というより、ワールドクラスのビッグクラブとして見ている」と話したのだ。
さらに、ホームで0-2と敗れた後、ソシエダにとって2失点目となったPK献上のシーンについて、「結局、判定というのものは主審が下すもの。しかし、私が求めるのは(なぜPKだったのかという)説明だけだ。なぜなら、あのプレイは非常に疑わしいからだ」と言及。これがレフェリーへの非難であると同時に、古巣への反旗を翻すものだとして解釈されたようだ。
現地メディア「Defensa Central」は、この一連の久保のコメントがレアルを統治するフロレンティーノ・ペレス会長を落胆させ、怒らせたと伝えており、「久保はレアルへ戻ることを願っておらず、マドリー側も久保とのサインを考えていない」「このウインガーはレアル・マドリードの公式戦に出場できなかったことを恨んでいるだけ」などと綴っている。
「久保の“レアル批判”は今に始まったことではなく、昨季のラ・リーガ第33節で対戦した際にも、自身の先制ゴールがレフェリーに取り消されことへの不満を露わにしています。シュートが決まったシーンの直前、味方FWがレアルMFにファウルを犯していたというのが主審の判断でしたが、試合後には今回と同様、そのジャッジを痛烈批判しました。また、レアルがチャンピオンズリーグでベスト4進出を決めたことにより、試合の日程が、本来ならソシエダの休養日に変更されたことにも不服を表明し、『クソだらけ』などと憤慨。当時も現地メディアからは『レアル・マドリードのファンからは好まれない発言』だと報じられ、ペレス会長も激怒していると紹介されていました」(スポーツライター)
久保にとって、5年間にわたる蓄積された“レンタルの恨み”は相当に根深いものがあるのかもしれない。
(木村慎吾)