山下智久主演のドラマ「正直不動産」（NHK）シリーズ最新作であり、シリーズ初のスピンオフとなるディーン・フジオカ主演ドラマ「正直不動産 ミネルヴァ Special」（NHK）が3月2日に地上波放送され、改めて「ディーンの魅力」が視聴者の間で語られているようだ。
今作に山下は出演せず、いわば山下演じる主役の永瀬財地が勤める「登坂不動産」とは違い、違法スレスレの販売スタイルもいとわない、悪徳不動産会社の要素を持つ「ミネルヴァ不動産」が舞台。中でも、永瀬（山下）のかつては先輩だった、ディーン演じる神木涼真を主軸に描かれたのが今作だ。
神木（ディーン）は「登坂不動産」の“成績不良な”営業マンだったが、妻子を交通事故で亡くしたことで人が変わり、“平気で嘘をつくような悪魔的な営業”に目覚め、社内の売上No.1の営業マンに変身。後輩の永瀬に営業のイロハを教え込むが、その後、1度だけ永瀬に成績を抜かれたことで「登坂不動産」を退社。その後、「ミネルヴァ不動産」社長の鵤聖人（高橋克典）にスカウトされた。そんな神木が「ミネルヴァ立川店」の新店長に就任。シリーズ本編では描かれることがなかった、神木の過去と「本当の素顔」が描かれた。
ざっくり言えば、神木は妻・香織（藤井美菜）の実家で祖父母らとも一緒に暮らしていたが、交通事故で妻子を亡くしてから15年経っても前向きになれず、妻の実家を空き家にしたまま売れずにいた。自身の思い出が詰まった場所で、他人が幸福になることが耐えられなかったからだ。しかし、地域の交流の場として実家を売る決意ができたのと同時に、「人がいるだけでは町にはならない。人と人とがつながってこそ、町になる」と改めて気付き、「NEW神木」として生まれ変わったのだが、つくづくディーンは「性根の腐った悪人キャラ」を演じることはできないよなぁと感じた。改心してからの神木のほうがディーンに似合っているし、「平気で嘘をつく神木」より「善人さを取り戻した神木」を演じるディーンのほうが、間違いなく光り輝いて見えたからだ。
「性善説」を信じたくなる正しい輝きを背負えるディーンだからこそ、多くのベテラン女性のハートを射抜けるのだろうなと、今作を見ながら非常に納得してしまった。4月4日には「アンジーのBARで逢いましょう」「おいしくて泣くとき」、同月25日には「パリピ孔明THE MOVIE」と出演映画の公開が目白押しのディーン。また、4月期放送の多部未華子主演ドラマ「対岸の家事～これが、私の生きる道！～」（TBS系）にも、厚生労働省のエリート官僚で2年間の育休を取得した中谷達也として出演するから「おディーン様が満開の春」を満喫してほしい。
（森山いま）
