食文化が似ている!ベトナム人女性SEが感じる日本とベトナムの違いとは?
日本食が海外で人気です。そんな中、食文化が日本と似ている国はアジアに複数あるって知っていましたか? その1つがベトナムです。詳しくみていきましょう。
日本のシステム開発企業であるアスノシステムで活躍するベトナム人女性SE(システムエンジニア)のグエン マイ アイン(Nguyen Mai Anh)さんは、「東南アジアのベトナムの食文化はとくに日本に似ている」と話します。
グエンさんは2015年に来日、スクールに通いながら日本語学科とIT学科を修了し、JLPT(日本語能力試験) の上から2番目にレベルが高い「N2」を取得したこともあって日本語が達者です。現在、同社でシステム開発全体を担当しており、将来はベトナムで起業して日本とベトナムのブリッジ(橋渡しをする)SEとなることを目指しています。
グエンさんは来日した当時、初の海外生活から大きな不安を抱えながらも「日本の食文化がベトナムと似ていることから、大きなギャップを感じることなくスムーズに生活を始められた」そう。どんなところが似ていると感じたのでしょうか?
「米を中心とした食生活や麺料理の豊富さなどが似ていると思います。ベトナムでは、コムタム(砕き米の焼き豚のせご飯)やコム・ガー(チキンライス)などの米料理をよく食べるんです。また、麺の種類が多く、地域によって味が異なる点も共通しています。ベトナムではフォー(米麺)、ブン(丸い米麺)、ミー(中華麺系)などの種類があるんですよ。つけ麺や汁なし麺など、食べ方の幅が広いのも共通していますね」
そんな共通点があるとは驚きです。グエンさんの好きな日本料理を聞くと、「お寿司です。ベトナムでも海鮮料理はよく食べますが、日本のように生魚を使ってお寿司を作る文化はないので、日本に来て初めて本格的なお寿司を食べたときはとても新鮮で、今では大好きな料理の1つになっています」と話します。
日本の食文化と共通点が多々ある一方で、グエンさんは「ベトナムとのギャップも感じた」そうです。具体的なギャップについてもみていきましょう。
「ベトナムではパクチー、ミント、ディル、バジルなどの香草をたくさん使い、フォーやブン、揚げ春巻きなど、ほとんどの料理に野菜を添えます。一方、日本では生野菜をたっぷり食べる習慣は比較的少ないと感じています」
「日本の料理は、出汁の旨味を中心に『やさしい味』『上品な薄味』が多いですが、ベトナム料理はナンプラー・砂糖・ライム・香草などを組み合わせた『はっきりした味』が特徴で、さっぱりしていながらも味がしっかりしています」
日本では当たり前のことでも、外国人から見れば「おかしい」と感じることはあるものです。グエンさんに「日本の食文化はここが変!」と感じる点を教えてもらいました。
「日本では、そばやうどんなどを食べるときに“ズズッ!”と音を立ててすするのが普通で、最初はとても驚きました。『音を立てたほうが美味しく感じる』とはよく聞きますが、ベトナムでは食事中に音を出すことは失礼とされているんです。また、日本人は普段の食事ではとても静かですし、電車やレストランでも周りに気を使う文化があると思います。それなのに、麺を食べるときだけは突然大きな音を立てても問題ないというのが最初は理解できませんでした。これは本当に不思議です」
日本とベトナムの食文化は似ているところも多い一方で、細かな部分を見るとやはり違いはあるようですね。“あるある”ではありますが、「麺をすする音だけはOK」なのは、外国人から見れば確かに“変”なのかもしれませんね。
