【惡の華】【コンビニ兄弟】鈴木福、「フツーの人」を演じられる才能は「役者として最強」!
放送中の連ドラの中で、私が最も注目している「惡の華」(テレビ東京系)と「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」(NHK)のどちらにも出演している鈴木福。しかも両作品で「普通の男子」を演じているのだが、どちらもめちゃくちゃ素晴らしくて驚いている。
あのとW主演している深夜ドラマ「惡の華」は、押見修造氏による同名マンガ原作で、これまでにもアニメ化、実写映画化されている人気作品だ。ふとした出来心からクラスの美少女・佐伯奈々子(井頭愛海)の落ちていた体操着を盗んでしまった春日高男(鈴木)は、その様子をクラスの嫌われ者・仲村佐和(あの)に見られていた。そのことから春日は、仲村から「契約」という名の無茶な要求に翻弄されるようになる。しかし意外なきっかけから春日は佐伯と付き合うことになる。次第に春日は佐伯と仲村との間で悩み、葛藤する…といった内容だ。
実写映画では春日を伊藤健太郎、仲村を玉城ティナが演じ、これもかなり見応えがあったのだが、鈴木演じる春日を見てしまった後では、伊藤演じる春日には「普通さ」が全く足りていなかったなと思ってしまう。それほど鈴木演じる春日の戸惑い、恋心、性衝動、自責などの「心の揺れ」が、まるで自分が「その頃」に戻ってしまったかのように、気持ちを揺さぶってくるのだ。
「本当にバイトくん」なリアリティ
町田その子氏による同名小説が原作で、主演の中島健人が1人2役を演じる「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」で、鈴木が演じているのは舞台となっている九州だけで展開するコンビニ「テンダネス」の門司港こがね村店でバイトを始めたばかりの大学生3年生・廣瀬太郎。視聴者と同じ視点に立つポジションで、“フェロ店長”こと店長の志波三彦(中島)のフェロモンあふれるキャラや真心がこもった接客に度肝を抜かれながらも、その魅力に感心する役どころだ。ピンクと白とブラウンを基調にした「テンダネス」のコンビニ衣装を着用した鈴木は「本当にコンビニのバイトくん」のようで、これぞリアリティだなと感心せずにいられない。
役者にとって「普通」を醸しだせる才能は最強ではないだろうか。鈴木の躍進に大注目だ。
(森山いま)
