芸能
2026/09/26 15:00
【ダウンタイム】松岡茉優と仲里依紗の演技力で魅せる美容医療ドラマに見せかけたシスターフッド作品の味わい方
芸能
2026/09/26 15:00
公開中のNetflix配信ドラマ「ダウンタイム」が話題になっている。
美容医療の現実をえぐる、「美と金」にスポット当てた医療作品だと思って見始めたら、最終的には天才的な形成外科医から美容外科医に転身した沼田文(松岡茉優)と、大手美容クリニックの看板医である遠山凛(仲里依紗)との魂の絆を描いたシスターフッド作品だったことに気付き、少しがっかりしてしまった。2人の演技力の高さには圧倒されたが、このドラマの裏側を考えずにはいられなくなり、理想と現実の差を思い知ったからだ。
ドラマの序盤で登場する「ボトパ」ことボトックスを注入し放題の「ボトックスパーティー」に誘われたことがある。体質上、美容医療には手を出せないのだが、「ボトパ」がどんなものかを見てみたくて覗いた時に見た光景が、そのままドラマのワンシーンになっていたので笑ってしまった。
周囲にいる美容ライターたちから、「直美(ちょくび)」と呼ばれる国家資格を得て2年間の初期研修だけを受けた、臨床経験が十分でないのに、美容外科医として働き始める医師の多さはこれまでに聞いていた。そのうちの1人から「まさに間宮祥太朗演じる小宮ルイみたいなセンセイが本当に多いんだってば!」と、「ダウンタイム」公開初日に興奮気味に電話がかかって来て、「このドラマの影響で美容整形に対する世間の心のハードルが下がったら怖い」と私たちの意見は一致した。
整形したいと思った時の「心構え」とは
美容整形は事業として儲かる。儲かるところには必ず「金の循環」ができる。風が吹けば桶屋が儲かるではないが、あの事業とこの事業が実は同じ母体だったんだ、と後になって気付いて驚くことはよくあることだ。いくらドラマでもそこまで描くことは難しいことくらいはわかっているが、Netflixだからと期待しすぎていたようだ。
このドラマ全体のトーンとして「美容整形礼賛」にはなっていなかったが、この作品をきっかけに「私も美容整形やってみようかな」と思う人も少なくないだろう。そんな気持ちが湧いてきた時には、どうかKoki,(「o」の上に‐)演じる鴻池紗良を思い出してほしい。物事には成功もあれば失敗もあるのだと、もう一度考えてほしい。安達祐実演じる板井沙緒里を思い出してほしい。自分を客観視して、美容整形が自分にとって「必要」か、もう少しだけ熟考してほしい。
きれいになりたいと思う気持ちはとても大切だ。しかしその気持ちから美容整形へとたどり着くまで、頭のネジが壊れてしまいそうなくらい考えに考えてから、行動に移してほしい。老婆心とは思うが、これだけは言っておきたい。
(森山いま)
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