嵐の櫻井翔主演ドラマ「先に生まれただけの僕」(日本テレビ系)の第2話が10月21日放送され、平均視聴率は7.5%で初回の10.1%から大幅にダウンした。
物語は、商社マンの主人公・鳴海涼介(櫻井)が、数学教師の免許を持っているとの理由から私立高校の校長に就任して学校を立て直すというもの。鳴海は「生徒はクライアント」という、商社マンらしいビジネス理論で教師や生徒と向かい合うのだが、さまざまな壁にぶち当たる。
脚本は、「海猿」「ガリレオ」(フジテレビ系)や、映画「HERO」などのヒット作で知られる福田靖氏によるオリジナル。それだけに期待値も高かったのだが、視聴者は「校長が1人の生徒に関わり過ぎ、普通は生徒の名前も覚えてないよね」「スクールカーストなんて昔からあったでしょ?」「校長が校内をうろうろしてワーワー騒いでいるだけで何が問題なのか不明瞭。結局、このドラマ何が言いたいの?」「自分の出世ばかり考えて、子供や先生たちを自分の都合通りに動かそうとしている校長じゃ誰もついてこなくて当然」「主演の櫻井翔の上からな物言いが鼻につく」など、鳴海校長の描き方に対し違和感を持ったようだ。
教育関係者もこう異論を唱える。
「ただでさえ全国的な教員不足、教師の超過労働、学校のブラック企業化が問題になっているのに、鳴海のような校長が来たら、先生は全く休めません。学校で先生が教えることと、家庭で子供を教育することの区別がついていない。なんでも教師に押し付けるのは違うと思います」
ドラマと言ってしまえばそれまでなのだろうけど、視聴者にとっては身近な問題を提議しているだけに、現実とかけ離れていると思われているのかもしれない。教員の休職、転職問題、なり手不足が叫ばれているだけに、影響を与えなければいいのだが。