平昌五輪金メダリストであるロシアのアリーナ・ザギトワ選手が2018‐2019フィギュアスケート世界選手権で、みごと優勝を果たした。実はザギトワ選手は、SP、FSの競技終了後、宿舎であるホテルに帰れない状況だったのだという。
「ザギトワ選手はSPの後に5時間、FSの後に8時間もドーピング検査の手続きのために会場を出ることができず、やっと終了したのは翌日の未明だったのです。ドーピング検査はスポーツ競技の公正さを保つために必要ですが、8時間も拘束されることはただごとではありません。結果はもちろん“シロ”。ではなぜ時間がかかったかというと、報じたメディアの推測では、ザギトワ選手が体重管理のために食事や水分の制限をしていたため、ドーピング検査に必要な尿を出すまでに時間がかかったのでは、とのこと。ロシアのフィギュアスケートの食事制限が非常に厳しいことは、エフゲニア・メドベージェワ選手の移籍後に漏れ伝わっており、恐らくその見方が正しいのではないでしょうか」(スポーツライター)
ロシアといえば、平昌五輪の際にドーピング疑惑が大きな問題となり、国家としての出場が認められず、個人参加となったことが記憶に新しい。ザギトワ選手も個人として参加して金メダルを獲得したが、ロシアのフィギュアスケート界にもキナ臭い噂があるのだという。
「というのも今年1月、ロシアの13歳になるジュニアのトップ選手が自身のインスタグラムで、ファンから安定的に演技をするためにはどうすればいいか問われた際『多くの薬物を服用すること。それがすべて』と答えたんだそうです。さらにザギトワ選手が所属するクラブでも薬物を飲んでいるのかという問いにも肯定してしまったのだとか。もちろん、ロシアのフィギュアスケート連盟は馬鹿げていると非公式に否定しましたが、ドーピング委員会がそのことを重要視して念入りな検査をしたのかもしれません」(前出・スポーツライター)
ドーピングは寝ている時に抜き打ちされたり、ザギトワ選手のようにいつまでも拘束されたりと辛いものだが、公明正大な勝利を証明し、本人の名誉を守ることにもつながる大切な検査。アスリートには気の毒だが、協力するしかないということだろう。
(芝公子)