渡船に乗ろう【浦賀編②】東京湾を背にした“ゴジラの足跡”を堪能!/内田晃「ゆるゆる『歩き旅』のススメ!」

 浦賀の渡し(渡船)に乗りたくて、神奈川県横須賀市の浦賀港に来ている。前回、西渡船場まで歩いたが、タッチの差で出航してしまった。時刻表はなく困っていると、案内板に“ご乗船の方は右のボタンを押してください”と書かれた乗船ボタンを見つけた。

 なるほど~。ボタンを押すとすぐに来てくれた。船は御座船をイメージした屋形船風で、旅客定員は12名まで。昔は焼玉エンジンの船が使われ、リズミカルなエンジン音からポンポン船とも呼ばれたそうだ。

 乗船時間は3分ほどだが、大小の船を横目に潮風を切ると、やはり海の渡船だと実感する。「まもなく到着ですよ」と告げるや、桟橋の手前で減速し、大きな衝撃もなく接岸させた船頭さんの腕前には思わず拍手してしまった。

 幕末の偉人・佐久間象山と吉田松陰が会談した旅籠の徳田屋跡碑を見て、東岸の叶神社を参拝。そのまま海沿いを歩く。

 春には昆布の天日干し風景が見られる鴨居大室港や鴨居港を経て、観音崎大橋を渡ると観音崎自然博物館に到着だ。今回、もう1つ楽しみにしていたのが、たたら浜側の案内板近くにある“ゴジラの足跡”だ。

 同館のホームページによると1954年に公開された初代ゴジラの足跡を10分の1サイズに縮小したという。ゴジラの上陸地? と思いがちだが、ゴジラは観音崎ではなく、東京の品川と芝浦から上陸している。

 どうやら、劇中でゴジラが観音崎近くを通過したと警告が流れたことと、映画公開後に恐竜の滑り台がたたら浜に設けられたことから、観音崎が上陸地と間違われたようだ。滑り台は都内からも観光客が訪れるほどの人気だったが、老朽化のため撤去された。

 改めて、東京湾を背にした足跡を見ると、今にもゴジラが現れそう。間違い云々と野暮なことは言わず、ただただ楽しんだ。

 最後は観音埼灯台へ。日本初の洋式灯台として1869年に完成。現在は大正期に再建した3代目で、国内に16基ある“のぼれる灯台”の1つでもある。

 入口近くの観音埼灯台資料展示室では、昭和中期まで行われた閃光レンズの回転方法に驚いた。なんと!灯台守が人力でワイヤーに付けた分銅を一定の高さまで巻き上げ、落下する力で回転させたそうだ。落下速度はゆっくりだが、一晩に何度も巻き直すため、重労働だったに違いない。

 灯台内のらせん階段を上り、回廊に立つと東京湾の奥に房総半島が望めた。

内田晃(うちだ・あきら):自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。街道、古道、巡礼道、路地裏など〝歩き取材〟を得意とする。

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