あなたは今、自分の睡眠に満足していますか? もし、「睡眠の質が下がっている……」と感じているのなら、食事で対処してみるのもいいかもしれません。
今回は、睡眠の質を向上させるためのコツとして、脳神経内科医で医学博士の山下あきこさんに、睡眠の質を改善するために取り入れたい栄養素や食材、食べ方について伺いました。
■快眠に役立つ栄養素とは?
大正製薬が2024年7月に行ったアンケート調査によれば、夏の夜に快眠を得るために実施していることのTOP5は、1位「クーラーをつけっぱなしにする」(519名)、2位「扇風機をつけっぱなしにする」(304名)、3位「照明を真っ暗にする」(235名)、4位「規則正しい生活を送る」(181名)、5位「夜遅くに食事をしない」(155名)となっていました。
果たして正解は? 山下さんによれば、「夏の暑い夜に良質な睡眠を確保するためには、適切な食事、環境を心がけ、リラックス効果のあるルーティンを取り入れることがオススメ」なんだとか。ちなみに、適切な食事については「意識的に特定の栄養素を摂取すること、またサプリメントの摂取も有効である場合があります」とのこと。
また、睡眠の質の向上に有効な栄養素・成分としては、脳の疲労回復を促進するグリシンや肉体の疲労回復を促進するタウリン、興奮した神経を落ち着かせるGABAがあるそう。
タウリンは栄養ドリンクによく含まれているので、耳にしたことがあるかもしれません。筋肉の回復を助け、疲労を解消する可能性がある栄養素です。さまざまな効果が研究で確かめられている中、内臓の疲労回復もサポートしてくれるそうです。
「タウリンを摂ることで、睡眠中の全身の回復が促進されると考えられます。睡眠で疲れが取れない場合には、タウリンを含む魚介類(とくにイカやタコなど)を積極的に取ることもオススメです」(山下さん)
■メンタルが整う“マインドフルネスイーティング”とは?
ところで、リラックス効果のあるルーティンを取り入れる方法のひとつとして、「食べながらマインドフルネスの瞑想を行う“マインドフルネスイーティング”がオススメ」だと山下さんは述べています。これは、ストレスを軽減し、胃腸に負担をかけない食べ方なんだとか。実際、アメリカでは肥満や糖尿病治療に役立てられているそうです。
具体的には、まずは自分のお腹を意識して今の空腹度を確認します。その後で目の前の食べ物をいただいていきます。このとき、ただ食べるのではなく、五感や想像力をフルに使って進めていきます。「目→手→香り→舌→喉→口の動き→耳→心→ストーリーを思い描く→自由に味わう」の順に意識を移していきながら、食べ物を楽しむのです。
スマホ動画を見ながら、もしくはLINEで誰かと対話をしながらいつも食べているという人は、食事のときだけはスマホを手離し、食べ物や自分自身に意識をしっかり向けて味わうことを楽しむこの方法を取り入れてみるのはいかがでしょうか。ストレスが軽減されればリフレッシュでき、食後にはメンタルが安定して快活に活動できそうですね。
いかがでしたか? 睡眠の質が下がり気味であることを自覚している人は、この“マインドフルネスイーティング”をぜひ取り入れてみてくださいね。