関東地区では3月19日まで、2022年に大ブームとなった川口春奈主演ドラマ「silent」（フジテレビ系）が再放送されていた。
本放送当時もきちんと視聴していたが、録画してしっかり視聴している現在、川口演じる主人公の青羽紬のかわいらしさ、健気さ、前向きさに改めて感心している。再放送なのにワクワクしながら録画を観ている自分に気付いてしまった。
それなのに放送中の「アンサンブル」（日本テレビ系）で主人公の小山瀬奈を演じる川口を観ていると、残念な気持ちに襲われてしまうのはなぜか、考えてみて1つわかった。川口演じる瀬奈が、心から楽しそうだったり嬉しそうだったりする「プラスの感情」を表すシーンが、「アンサンブル」には圧倒的に少ないのだ。瀬奈（川口）は考え込んでいたり悩んでいたり、ションボリしたりするシーンが多く、「女優・川口春奈」の魅力が引き出せていないのだ。
川口の魅力はやはり「プラスの感情」を表すことで視聴者に元気を与えてくれることだろう。「はま寿司」や「JCB」のCMで見る川口はかわいいのに、「アンサンブル」の瀬奈があまりかわいくないように見えてしまうのは、これが一番大きな原因だと思う。
かつて木村多江は「薄幸が似合う女優」と呼ばれていたが、川口は間違っても考え込んでいたり悩む姿が似合う女優ではない。3月22日放送の最終回で真戸原（松村北斗）と再会させて瀬奈を笑顔にさせることはわかっている。が、そんな見え透いた手を使うのはもう古いと思う。もっとガンガン川口のかわいい笑顔を全面に打ち出してくれていればよかったのに、本当に残念だ。
（森山いま）
