「目指すのは、フォロワー100人!」
そんな一見控えめな説明文が掲げられたYouTubeチャンネルが今、ネット上で大きな注目を集めている。
そのチャンネルの名前は「AKIRA♂」。今年1月1日に突如として現れたこのチャンネルは、わずか半年ほどで登録者数700万人を突破。6月の月間チャンネル登録者数では、多くの有名YouTuberを抑えて2位にランクイン。再生回数は2600万回を超える動画もあり、現在YouTube界で最も勢いのある“新星”チャンネルの一つとなっている。
特徴的なのは、そのスタイル。長尺の動画は一切なく、投稿されているのはショート動画のみ。画面に映るのは、真っ白なスーツにサングラス、金髪ウィッグをかぶった男性が、登録者数カウンターを見せながらクラッカーを鳴らすようなしぐさをする…といったようなものだけ。セリフもなければ説明もない、今人気のノンバーバル(非言語)動画だ。
昨年、HIKAKINが登録者を大きく伸ばすきっかけとなった“カウンター動画”と似た構成だが、AKIRA♂はそれを半年間ひたすら繰り返すという、ある意味“逆張り”の手法で成功をつかんだようだ。YouTubeライターが解説する。
「他のYouTuberたちは、毎日違う企画を立てて視聴者を飽きさせないようにしています。しかしAKIRA♂はその真逆。YouTubeのアルゴリズムは一貫性のあるコンテンツを好む傾向があるため、同じパターンの動画を投稿し続けたことで、逆に海外の視聴者のツボを突いたのではないかと思います。コメント欄には日本語はほとんど見当たらず、海外からの応援メッセージであふれているんです」
かつて一世を風靡した「カウンター動画」だが、日本ではすでに“オワコン”扱いされていたジャンル。そのジャンルで世界700万人を魅了するとは、「AKIRA♂」というYouTuber、ただのものではなさそうだ。
(佐藤ちひろ)