放送中のドラマ「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」(フジテレビ系)で主役の市長役を務めている篠原涼子が、自らの撮影パートを終了したと12月11日に伝えられた。篠原は「終わりたくないので、楽屋を出るのをやめようかと思ったぐらいです(笑)」と語るなど、充実した現場だったことをアピールした形だ。
だが、視聴率は右肩下がりを続け、11日放送の第8話も5.3%と落とした。主演の篠原をはじめ、高橋一生、石田ゆり子と人気キャストを揃えただけに、制作陣に対する失望が広がっているという。テレビ誌のライターがささやく。
「とくに大きなどんでん返しが起こるわけでもなく、話題となったのは高橋一生が艶嬢といちゃつくシーンぐらい。下がり続ける視聴率に対して無策だったことが露呈しましたからね。ドラマ離脱者を呼び戻すための“おさらい番組”も平日の深夜1時55分から放送するなど、他ドラマに比べていま一つ本気さが感じられません」
肝心の内容は、改革を求める新人市長と、それに抗う守旧派というありがちな構図のまま。市長が美人なことを除けば現実のドロドロした政治劇と変わることはなく、娯楽を求める視聴者のニーズに沿っているとは言い難かったのではないだろうか。
「撮影しながらセリフを書いていくという韓流ドラマのようなダイナミックさは無理だとしても、新規キャストの投入や突発的な事件の発生など、大胆に脚本を見直すことはできたはず。しかし制作側の取り組み方はまるで高視聴率ドラマのような“現状キープ”。これではV字回復など望めるはずもありません」(前出・テレビ誌ライター)
フジテレビの看板ドラマというプライドゆえか、これといった工夫の見られない「民衆の敵」。これでは来る1月期の月9ドラマにも大きな期待をかけるのは難しそうだ。
(白根麻子)