人間には、「褒められれば褒められるほど、やる気が起きる」という性質があります。これを心理学では“ピグマリオン効果”といいます。
カレの愛し方に不満があるときでも、あまり責めるような言い方をしてしまうのは賢い選択とはいえません。逆に、いいところを褒めてあげるほうが、もっと頑張ろうとしてくれるものなのです。
褒める場合には、自信を持っている部分をまず褒めるという方法と、自分でも気付いていない魅力を褒める方法があります。どちらも効果的ですが、社会的な地位が高くて自信家タイプのカレの場合には後者がよいでしょう。なぜなら、自信家タイプの男性は周囲からよく褒められているので、当たり前の部分を褒めても効果が薄いのです。
「こんな大きな会社を経営していらしてすごいですね」「難関校から東大医学部なんて、本当に頭がいいんですね。尊敬しちゃう」などの褒め言葉は、あまり心をつかめません。むしろ、「そのシャツ、襟のデザインがステキですね」「指先がセクシーって言われることありません?」など、相手の社会的地位とは無関係な部分を褒めるほうがカレはドキッとし、俄然あなたに興味を持ってくれて接近しやすくなるでしょう。
「でも、付き合い始めて時間が経つと、褒める部分もなくなっちゃって……」なんて思っているあなた。そんなことはありませんよ。カレを好きなら、毎日でもステキなところをみつけられるはずです。
「会社で嫌なことがあっても前向きなところ、ステキだと思うわ」「映画を観る度に泣いちゃうなんて、感受性が高いのね」「あなたといるとリラックスし過ぎて自分のことを全部さらけ出しそう。でも、そうしないように気を付けなくちゃ」などなど。日々のお付き合いの中で、ポジティブな言葉をいつもチョイスすることです。
褒め合える関係は長続きする──これは確実です。相手の嫌なところよりいいところをみつめることが、大人の恋愛ではないでしょうか。褒め上手は恋愛上手の秘訣なのです。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)