「34歳で可哀想と思われたくない」小林麻央さんが遺した言葉に感涙

 22日に旅立った小林麻央さんの訃報に、日本中が悲しみに暮れている。「まだ34歳なのに早すぎる」「小さな子供がいるのにかわいそう」と悲嘆の声が溢れているが、それに応えるかのようなメッセージを麻央さんは生前に残していた。

 昨年11月、英BBCから「今年の100人の女性」に選ばれた際に、同社へ寄稿した文章である。彼女の思いに心を寄せながら、ここにその一部を掲載したい(カッコ内は麻央さんの寄稿)。

「2年前、32歳の時に、私は乳癌であることを宣告されました。娘は3歳、息子はまだ1歳でした。『治療をして癌が治れば、元の自分に戻れるのだから、大丈夫!』と思っていました」

 という書き出しの文章は、まず自らの反省から始まる。病のイメージを持たれたり、弱い姿を見せることに麻央さんは恐れを抱いていたという。宣告当初は病気を隠すことを選び、人との交流も断ち、隠れるように病院へ通う生活だった。

「1年8か月、そんな毎日を続けていたある日、緩和ケアの先生の言葉が、私の心を変えてくれました。『がんの陰に隠れないで!』 私は気がつきました。元の自分に戻りたいと思っていながら、私は、陰の方に陰の方に、望んでいる自分とはかけ離れた自分になってしまっていたことに。何かの罰で病気になったわけでもないのに、私は自分自身を責め、それまでと同じように生活できないことに、『失格』の烙印を押し、苦しみの陰に隠れ続けていたのです」

 病気により“何もかも自分の手で行いたい”という彼女の母親としてのこだわりは制限された。入院で、子供たちと離れる生活も強いられた。理想の母親像との乖離に苦しんだものの、それを失ってみるとそれほど意味のあるものではなかったことに気づかされたという。

「家族は、私が彼らのために料理を作れなくても、幼稚園の送り迎えができなくても、私を妻として、母として、以前と同じく、認め、信じ、愛してくれていました。私は、そんな家族のために、誇らしい妻、強い母でありたいと思いました」

 ブログを始めたのも、そうした“日向に出る決心”の表れ。ブログのコメント欄には共感や励まし、祈りの言葉が溢れ、「私が怖れていた世界は、優しさと愛に溢れていました」と麻央さんは感謝を綴る。

「人の死は、病気であるかにかかわらず、いつ訪れるか分かりません。例えば、私が今死んだら、人はどう思うでしょうか。

『まだ34歳の若さで、可哀想に』

『小さな子供を残して、可哀想に』

 でしょうか??

 私は、そんなふうには思われたくありません。なぜなら、病気になったことが私の人生を代表する出来事ではないからです。私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、愛する人に出会い、2人の宝物を授かり、家族に愛され、愛した、色どり豊かな人生だからです」

 そして、こう結ばれている。

「だから、与えられた時間を、病気の色だけに支配されることは、やめました。なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから」

 家族を愛し、周りへの感謝を忘れず、同じ病気を患う人たちを勇気づけてきた麻央さん。ご冥福を祈りながら、その言葉をいま一度、噛みしめたい。

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