フリーアナウンサーの古舘伊知郎が2月5日放送のラジオ番組「古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)に出演し、コロナ禍で台頭した“会食警察”について苦言を呈している。
古舘は、新型コロナウイルスの感染拡大により、国民同士が互いを監視し合うような緊張感に包まれていると感じているようで、「なんか酷いものを見つけると、怒り心頭に発するというね。自分たちも気を付けないといけないと思うよね」と自戒。また、「“ウレタンマスク警察”とか“自粛警察”は勘弁してもらいたい。ウレタンマスクがいいなんて思わないし、不織布の方がいいんだろうけど、いちいちそんな事で怒らなくてもいい」とし、より寛大な対応を求めている。
続けて、「テレビのスタッフに聞いたんだけど、“会食警察”が出回ってるらしいね。テレビのクルーがロケの合間に数人でメシ食っててさ。そしたら、そのテレビ局本体の方に『今、数人で喋りながらメシ食ってます』っていう通報があってね。もうさ、いいじゃん、そのぐらい。マナーに反してるならいけないけどさ」と会食警察によるクレームの電話に驚いたという。
一方で、「その気持ち、分からんでもないよ」とも述べ、「やっぱりね、東京から地方にやってきた場合は、エンガチョなんだよ。これはね、自分が反対側だったらっていう気持ちを持たないといけないと思う」とコメントしていた。
「たしかに、コロナ禍で新たに出現した“ウレタンマスク警察”や“会食警察”などと呼称されるものの中には、やや過剰にも思える揚げ足の取り合いのような様相を呈するものもあります。その背景には感染拡大を少しでも防ぎたいとの国民共通の想いがあるとはいえ、窮屈な世の中にもなりかねません。そんな監視社会について、他者への寛容さが必要であると述べた古舘ですが、ネット上ではあまり同調の声は見られず、『マスコミは、会食していた政治家を袋叩きにしているのだから、襟を正さないといけないんじゃないの? 人がやるのはいけないが、自分がやるのはいいの?』『マスコミは数人で喋りながら飯食うのが当たり前なのかな』『マスクせずに喋っちゃダメ。飲食で拡大してる要因はそこ。“それくらい、いいじゃん”という考えが感染を広げてるんじゃないですか』との反論が続出。古舘自身、過去にはテレビ朝日の報道番組『報道ステーション』で12年間キャスターを務め、政治家らを追及してきた経緯があることから、“いいじゃん、そのぐらい”との表現に違和感を覚えた人が多かったようです」(テレビ誌ライター)
2021年も引き続き、パンデミックの収束気配は見えずにいるが、気を緩めすぎることのないよう、各々が然るべき振る舞いを意識する必要がありそうだ。
(木村慎吾)