特段スペシャルなつくりにせず、比較的あっさりとした印象で、レギュラーとしては、3月9日放送回をもって終了した長寿番組「ブラタモリ」。しかし、この“最終回”が未来のNHKにまさかの悪影響を及ぼす可能性が指摘されているというのだ。(3月13日配信)
涙を浮かべる姿に心を打たれた視聴者も多かったようだ。
NHKの人気番組「ブラタモリ」が3月9日の放送回をもって「今のスタイルでの放送」を終了。レギュラー番組としての最終回を迎えた。
放送では最終回の告知こそなかったもの、普段は次回予告で終わるところがタモリと野口葵衣アナのツーショ写真で締めくくることに。花かごを手にする野口アナの目が潤んでいたことから、事情を察する視聴者も少なくなかったようだ。
ただ一方では野口アナの涙に、別の意味合いを汲み取っていた視聴者もいたという。それは野口アナの番組卒業である。
「現体制のブラタモリで野口アナは5人目のアシスタント。一人目の桑子真帆アナこそ1年で卒業しましたが、それ以降は近江友里恵アナ、林田理沙アナ、浅野里香アナの3人が、いずれも2年の任期で卒業していきました。野口アナも2022年4月の就任からちょうど2年ですから、卒業祝いの花を手にしていると思った人がいたのも無理はないでしょう」(テレビ誌ライター)
ところがふたを開けてみたらアシスタントの卒業どころか、番組自体が最終回を迎えたのだから、視聴者もびっくり仰天だろう。
番組の公式サイトでは「今後、さらに楽しんでもらえるような番組になることを目指して、検討を続けていきます」と表明しており、今後も特番として放送される可能性はある。とはいえレギュラー番組の終了は残念なところだ。
しかもその残念さが視聴者にだけではなく、NHKの今後にも影響を及ぼす可能性が取りざたされているという。その影響を暗示しているのが野口アナの涙だというのだが、いったいどういうことか。
「ブラタモリは女子アナ志望の学生にとって『出演したい番組』の筆頭とも言える人気番組。大物のタモリと共演できることに加え、歴代アシスタントが軒並み出世を果たしている点も見逃せません。その人気番組がなくなってしまうことで、NHKに入りたいという気持ちがしぼんでしまう可能性は否定できないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
民放キー局ではハキハキした明るいキャラが人気を博しがちなのに対して、NHKでは育ちの良いタイプが好まれがち。野口アナは物腰が柔らかく、態度の節々からタモリへの尊敬が伝わってくるうえ、頭の回転が速いところも垣間見せており、中高年世代の視聴者を中心に好感されていたものだ。
そのため自分をNHK向きだと任じている女子アナ志望者にとって、野口アナは良きロールモデルとなっていた。ところが肝心のブラタモリ自体がなくなってしまい、彼女たちには目指す場所がひとつ失われてしまったのである。
「NHKは民放キー局に比べてアナウンサー職の採用数が多いこともあり、ひそかに人気の局となっています。そこにきてブラタモリの終了は、採用面でも大いに痛手になることは確実。NHK向けの人材が民放を志向するようになるきっかけにもなりそうです」(前出・テレビ誌ライター)
視聴者としては野口アナの今後が大いに気になるところ。4月からは東京アナウンス室に異動し、朝5時スタートの「NHKニュースおはよう日本」に着任することが発表されているが、トーク番組やバラエティ番組での活躍に期待する声も高まりそうだ。