結成16年以上の漫才師が競う賞レース「THE SECOND～漫才トーナメント～」の2代目王者が、5月18日に誕生する。今年は、18日の午後7時からフジテレビで生放送される同大会だが、昨年、初代王者に輝いたのはギャロップ。今年のファイナリストはタモンズ、ハンジロウ、ななまがり、金属バット、ザ・パンチ、タイムマシーン3号、ガクテンソク、ラフ次元の8組だ。
中堅漫才師の賞レースとあって、押し並べて苦労人。そんな中、決勝進出者決定で埼玉県さいたま市大宮区界隈を沸かせたのはタモンズだ。兵庫県出身で幼馴染みの大波康平と安部浩章は、吉本興業が大宮区内に構えた常設劇場・大宮ラクーンよしもと劇場のメインメンバー。マヂカルラブリー、囲碁将棋、GAG、すゑひろがりず、ジェラードンら6組で結成された「大宮セブン」の一員である。
ユニットはちょうど10年前、大阪と東京の主要劇場で居場所を失った中堅芸人たちが、“ガラパゴス諸島化”していた埼玉に“島流し”されて誕生。今年はアニバーサリーを祝して記念DVDのリリースや雑誌で特集されるなど、日の目を浴びている。今回タモンズがゴールデン・プラムタイムの生放送に出ることで、“オールクリア”になったと見る向きが強い。
「大宮の劇場は、観客よりステージ上の芸人たちのほうが多いほど、長らく苦戦を強いられていました。腕はあるのに突破できる状況に恵まれなかったくすぶり芸人が、どんどん流されていった。でも今では、メジャーコンテストの覇者やファイナリストがどんどん誕生。ようやくタモンズがクリアできたことで、“大宮芸人ブレイク説”が立証しそうです」（実話誌の芸能ライター）
ピラミッドの頂点に君臨するのは、マヂラブ。野田クリスタルはピンで「R-1ぐらんぷり2020」で優勝。同年末にコンビで「M-1グランプリ」で初優勝して、同一年にメジャー2大タイトルを制した唯一の芸人だ。前年には、すゑひろがりずがM-1決勝戦に初進出。南條庄助はピンで20年、R-1で決勝3位に輝いた。
GAGは、「キングオブコント」で連続決勝進出4回の記録を持つ。これは、さらば青春の光と並んでトップタイだ。09年から22年まで14回連続で準決勝に進出した記録も、歴代トップ。ジェラードンは、21年の「キングオブコント」で決勝5位に輝いた。囲碁将棋は昨年の「THE SECOND」で決勝進出を決めている。
実力は折り紙付きと仲間芸人からは認められながらも、苦境を脱せなかったタモンズ。大宮の最終兵器というべくおっさん2人が、ついに反逆の狼煙を上げる。
（北村ともこ）
