フリーキャスターでタレントの伊藤聡子が新幹線の指定席をめぐるエピソードをブログから綴ったところ、一部から「規約違反」だと指摘する声が寄せられ、3月3日に、ブログを更新。「皆さんにご心配をおかけして申し訳ございません 私は元気ですよ けど、びっくりはしました まさか外国の方に席を譲ったことをブログに書いたことが記事になり、こんなにご批判をいただくことになるとは」との書き出しで謝罪する事態となった。いったい何があったのか。
発端は、伊藤が2月24日に「新幹線でハッピー貢献」とのタイトルでのブログに投稿だった。インバウンドの影響について「最近は新幹線も混んでいて、隣が空いている席を取るのが難しくなっています。明らかに外国人の旅行客の方々が増えていますもんね」とし、「私も最近は富士山側の窓の席が取れなくて、今日も新横浜から通路側席を取って乗ったんです」「席に着くと、隣の窓側に座っていたアジア系の外国人の若い女性と、斜め前の通路側席に座っていた若い男性が、チラッと目配せしたんですね。あら？もしかしてカップル？ 誰も乗ってこなければ、彼女の隣に移動しようと思ってたのかなぁ…」と、隣同士で座りたがっている男女のペアと遭遇したという。伊藤は『隣の女性に、「良ければ彼と席を代わりましょうか？」と提案すると、2人は笑顔で大喜び。男性からも「サンキュー、サンキュー、アリガトー」と感謝されたといい、「こんなに喜んでくれると、私も嬉しい そうよね～。せっかく日本に旅行に来たんだもん」と、“おもてなし精神”が功を奏したように振り返った。
しかも、伊藤にとって今回のようなケースは初めてではないといい「実は、私こういうパターンにけっこう遭遇してて、外国人、日本人関係なく、気がついたら必ず席の交換を提案するようにしてるんです」と説明。「他の人のハッピーのお手伝いは大事 仲良く楽しんでいる2人にハッピーをもらいつつ、大阪に着きました」と締めた。
「この一見、美談に聞こえるエピソードが新幹線の規約違反に該当するとネットで指摘されたんです。ブログでは車掌や駅員を介したという記載はなく、当人同士で勝手に交換をし、しかも、“一回だけではない”ことも明かしています。それだけに『あなたは大阪で気分良く降りたらおしまいですが、そのあとにトラブルになっていても気付きませんよね？』『降りる駅がズレるからダメだよ』『規約違反です』との声が続出。今回のケースで言えば、伊藤は新横浜から新大阪までの乗車で予約しており、交換した男性の外国人が新大阪より先の駅まで乗車する場合、本来の伊藤の席を新大阪から予約した人物とトラブルに発展するリスクがあります。もちろん伊藤と交換した男性が新たにやってきた乗客にその旨説明すれば済むのでしょうが、そうした影響が起こりうることを考えずに、“気付いたら必ず席の交換を提案する”とした伊藤は、交換相手以外の人にも迷惑をかけている可能性を考慮できていないということになったんです」（テレビ誌ライター）
こうした反応に驚いた伊藤は、1週間後、冒頭のように謝罪し、『そうですね。確かに後から乗ってきた人が、自分の席に外国人の人が座っていたら困るし、トラブルのもとになる。その通りです。ですので、新大阪で降りるときに、「誰か他の人が来たら、自分の席に戻ってね。」と彼に言って降りるつもりでしたが、彼らも新大阪で一緒に降りたんです。そして、降りるときにも「サンキュー、サンキュー」と言ってお辞儀をしてくれました と、ここまでしっかり書くべきでしたね』と、トラブルは起きなかったと説明したのだった。さらに続けて、1月に新幹線の窓側の席を取って座ろうとした時には、隣に幼児を抱っこした母親が、通路を挟んだ反対側に5歳の男児が着席した際に、男児と自分の席を代わってあげると、母親は感謝し、男児は外の景色を見て喜んでいたというエピソードも披露。その後、車掌さんも通りすがりに「お気遣いいただいてありがとうございます」と声をかけてくれたとも報告。「規則はあるけれど、車掌さんも臨機応変に対応してくれているという認識でいました」と綴る伊藤は「私自身が乗り鉄で新幹線が大好きなので、みんなハッピーな旅になったらいいなと思って取った行動だったのですが、規則破りであることは間違いなく、不快な思いをさせてしまった方々には申し訳ございませんでした」と再度謝罪。「今後は車掌さんにちゃんとお伺いして、皆さんにご迷惑がかからないように気をつけて行動したいと思います」としたのだった。
今後も、席が離れて困っている人に席の交換を提案すると思われる伊藤。ブログ報告の際には、交換によるトラブルの可能性に十分配慮したことも併記する必要がありそうだ。
（木村慎吾）
