少々“雑”な展開でもいいじゃないか!松嶋菜々子主演「おコメの女」を見続けるべき理由
松嶋菜々子が主演を務めるドラマ「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」(テレビ朝日系)が、高い評価を受けている。初回放送の平均視聴率は、世帯10.0%、個人5.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)で、1月15日放送の第2話は世帯8.9%、個人4.9%を記録。現在放送中の冬ドラマではトップクラスの視聴率を誇り、TVerの登録者数も2話の放送終了時点で62万人を超える人気だ。
物語は、税務調査において職員の圧倒的な情報収集能力と調査スキルを持つ東京国税局・資料調査課に新設されたドラマオリジナルの部署「複雑国税事案処理室(通称・ザッコク)」が舞台。脱税者から恐れられる資料調査課は“料”の米へんを取って「コメ」と呼ばれ、ドラマのタイトルにもなっている。これまで、同局で「ドクターX」「緊急取調室」など大ヒットしたドラマを生み出した「木曜夜9時枠」で放送される作品だ。
松嶋が演じる主人公「米田正子(よねだ・せいこ)」は、厄介な事案を扱う「ザッコク」を創設し、個性豊かなメンバーを招集。掟破りの手法も使いながら、あくどい脱税者たちを成敗する。ザッコクのメンバーを演じるのは、佐野勇斗、長濱ねる、大地真央、高橋克実と個性豊かな俳優ばかり。それぞれが演じる役が特技を持ち、脱税者たちを追い詰める様子が描かれる社会派の痛快エンタメドラマだ。
第1話では、アンミカがゲスト出演し高齢者から集めた資金を脱税する敵キャラを熱演。米田は、身分を隠してセミナーに潜入するなど違法スレスレの調査を行うのだが、終盤で正体がばれてピンチに陥ることに…。そんな時、ザッコクのメンバーが登場し米田のピンチを救うチームプレイを見せ、脱税の証拠を押さえるなど「わかりやすい」ストーリーのドラマであることを提示。この、「ドクターX」にも通じる、テレ朝のドラマらしいベタな展開が続くところがいい。主人公の米田はクールな天才肌だが、仕事が終わると居酒屋で日本酒を飲んでおっさんキャラに変貌。親しみやすい主人公となり、幅広い視聴者を魅了している。
ストーリー構成も複雑ではなく、思った通りに進み最後には時代劇のように悪役を懲らしめてくれる。第2話では先代店主が亡くなった老舗和菓子店が舞台となり、跡を継いだ双子の兄弟の脱税が疑われる。大地が演じ調査員が昔からの顔なじみだというベタな展開を挟みながら、最終的には店を長く取り仕切る番頭が脱税犯だったという、わかりやすいオチだった。昨今では、複雑な考察ドラマがブームだが、「おコメの女」は難しい要素は一切無し。それどころか、第2話では、番頭が使用しているヘルメットに申告していないお金が入っていたのをたまたま見つけるという「謎解き」を披露。そこは少々“雑”な作りにも思えたが、松嶋を筆頭とする出演者の表現力が豊かで、引き込まれるドラマに仕上がっている。不思議な魅力のある作品として、冬ドラマの中でも異彩を放っているので、だまされたと思って一度見てほしい。
また、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の企画「名探偵津田」で人気となった森山未唯が第2話にゲストとして登場。さらに、松嶋が過去に出演した「古畑任三郎」(フジテレビ系)で共演した松金よね子が出演するなど、遊び心のあるキャスティングもみせている。今後、どんなゲストが登場するのかも楽しみな作品だ。
これまで、テレビ朝日を支えてきた名作「ドクターX」、「緊急取調室」とは違った魅力で、視聴者を虜にしている「おコメの女」。シリーズ化や映画化も期待される中で、間違いなく見続けるべきドラマだと言えよう。
(渡邊伸明)
