博多大吉“も”「ミシン男子」だった!隠していた推しキャラグッズを作るためにミシン購入の過去
「手芸男子」という言葉がある。呼んで字のごとく「手芸をする男性」のことだ。
昭和の頃、「手芸をする男子」は差別されていた。手芸は女子がすることで、手芸をする男子は「変」「おかしい」などと悪口を言われていたのだ。
しかし見回してみれば、黒柳徹子のマネージャーであり「ビーズの貴公子」の異名を持つビーズ刺繍デザイナー・田川啓二氏も、容姿がミッチーこと及川光博に似ていることと名前が「みつはる」であることから「ニット界の貴公子」「ニット界のミッチー」の異名を持つニットデザイナー・広瀬光治氏も、紛れもなく「手芸男子」だ。9月で67歳になる田川氏も今年の1月で71歳になった広瀬氏も、おそらく「変わり者」のレッテルを貼られていたことがあったように思う。
しかし現在は違う。老若男女を問わず、手芸が好きだと公言しても奇異の目で見られることはない。
2月24日放送の「あさイチ」(NHK)で特集された「手芸をもっと楽しむ方法」の中で、MCの博多大吉が「私、黙ってましたけど、コンピューターミシンを買って、自分でワンポイント入れたりとか、昔はしてたの」と切り出した時、この番組内で黙っていたことを指したのか、これまでこの番組が放送され続けている中で黙っていたことを指したのか、よくわからなかった。「どうしても欲しいキャラクターのグッズがないから、もう、自分で作っちゃえ!と思って」とミシンを購入した経緯を説明すると、共演していた中田クルミは目を輝かせながら「手芸男子!」と大吉に声をかけた。それを受けて大吉は「コンピューターに任せる男子です」と応じ、「5着くらい作って、買ったほうが早いってことに気が付いたの、うん。“ないものはない”ってあきらめたほうがいいや、って思った。うん」と明かしていたが、ミシンを「かじった過去があること」をこれまで明かしてこなかった大吉の心理が、どうにも気になったままでいる。
今や「ミシン男子」としても広く知られている、43歳でミシンにハマったお笑いコンビ・ロッチのコカドケンタロウが、今年1月8日放送の「あさイチ」で「鈴木の代行!趣味ハジメ」の特集の中でサコッシュ制作をアシスタントの鈴木奈穂子アナと視聴者に指導。大吉が「実はミシンをやっていたことがあって」とこの日に切り出していたなら、こんなに気にならなかったかもしれない。
作家の桐野夏生氏が2001年2月1日号から「週刊文春」に連載していた小説「グロテスク」の中で、お金持ちの子女ばかりが通っているエスカレーター式の私立女子高に入学した、一般家庭の「和恵」という人物が、多くの同級生がはいているラルフローレンのワンポントが入った靴下(作中にラルフローレンの靴下であることは明記されていないが、前後を読めば明らかにそうであることがわかる)を買えず、白い靴下に似たようなワンポントの刺繍を自分でするシーンが登場する。ネット上ではもちろんのこと、このシーンは多くの人々の記憶に残るシーンとして現在も語られているが、大吉の「ミシンの話」を聞いて、すぐさまこのシーンを思い出した。
大吉はなぜ「コンピューターミシンで推しキャラのワンポイントが入ったグッズまたは衣類」を作っていたことを隠していたのか。「手芸男子」である自分を受け入れられていないような大吉の心理を、これからも考察し続けたい。
(森山いま)
