2月12日、平昌五輪入りした羽生結弦選手の練習が公開され、ケガからの復調具合を知るべく、多くのメディアが詰めかけた。
羽生選手は綿密にスケーティングを繰り返し、演技の流れを確認するような動きをしてから、後半にジャンプの練習を開始。1回転のジャンプを試したのち、最後にトリプルアクセルを決めた時には取材陣からどよめきが起きたという。
「最後に1本だけトリプルアクセルを跳んだところが、なかなかの作戦だなと見受けました。いくらよくなったとはいえ、ジャンプの練習は足への負担が大きいですから、1回転で正しいフォームとジャンプのタイミングを思い出させることをメインに練習したのでしょう。1月に氷上練習をスタートさせた羽生選手ですから、ジャンプの回転数を少しずつ増やし、やっと3回転、4回転ジャンプの練習ができるようになったくらいかもしれません。それでも得意のトリプルアクセルを跳んでみせれば、メディアはもちろん、ライバルの選手にも、復活のイメージを強く与えられますからね」(スポーツライター)
なるほど、早くも心理戦が始まっているというわけだ。1本のトリプルアクセルでメディアはすっかり復調一色。さらにはライバルたちにもプレッシャーを与えることに。これもすべては知将・オーサーコーチの作戦どおりなのかもしれない。
(芝公子)