こんなにも救いのない展開になるとは‥‥。毎週熱心にドラマ「anone」(日本テレビ系)を観続けてきた視聴者から、そんな恨み言が聞こえてきそうだ。3月7日放送の第8話で放送されたバッドエンド不可避の展開に対し、多くの視聴者が呆気にとられたようだ。
「一本調子で視聴率を下げ続ける『anone』ですが、個々の役者の演技には惹き込まれる部分も少なくありません。この第8話では、法律事務所の所長を演じる火野正平が偽札作りの現場に遭遇。田中裕子に向かって『あんた何やってんだぁ! 俺の知ってる亜乃音さん、こんなことする人じゃないよねぇ!?』と詰め寄り、田中が『お願いします、見逃してください!』と懇願する場面はまさに鬼気迫る迫力でした。ここで視聴者の誰しもが、偽札作りの首謀者である瑛太が火野を殺めるんだろうなと思ったはず。その予想通りに瑛太は火野の首を絞めあげ、続いて映し出された次回予告には、警察が登場していたのです」(テレビ誌のライター)
もはやハラハラを通り越して「あーあ」という感じの展開だが、偽札作りの片棒を担ぐ広瀬すずは、その偽札をゲームセンターの両替機に認識させることに成功するも、返却ボタンを押して偽札を回収。この時点で「広瀬だけは助かる」フラグが立ったのは誰の目にも明らかだったことだろう。
「おそらくは偽札に“偽物の人生”を投影させ、その偽札を使わなかった広瀬は生き延びるという図式を描きたいのでしょう。そのために描かれたのが、がんを患っている阿部サダヲとの対比。第1話で余命半年を宣告されつつもここまでピンピンしていた阿部が、この第8話では終盤にいきなり倒れるなど、ご都合主義と言われても仕方がない筋立て。そもそもがん患者を小道具的に使う演出には違和感をおぼえますね」(前出・テレビ誌ライター)
視聴者が呆れるほどの見え透いた展開とご都合主義。離れていった視聴者は最後に戻ってきてくれるだろうか。
(白根麻子)