歌唱力抜群で、ダンステクニックも随一。絵画や粘土細工を手がける芸術家としても非凡な才能を発揮する、嵐きってのクリエイターといえば大野智だ。
彼の才能に心酔する芸能人は多く、後輩のHey!Say!JUMP・知念侑李を筆頭に、俳優の小栗旬、菅田将暉もファンであることを公言している。アンニュイな雰囲気のせいか、プライベートがいまいち見えないところも、魅力のひとつだ。
「2009年ごろのことでしょうか、大野の家には誰も入ったことがないと言われた時期がありました。嵐のメンバーでさえ知らなかったそうです。そんな大野の家に初めて上がり、泊まり込んだツワモノがいました。NEWSの加藤シゲアキです。ジャニーズ事務所に大野は94年、カトシゲは99年に入所。年齢差は7歳で、本来なら大先輩の大野宅に泊まれる関係になるには、相当時間を費やしそうなもんですが、2人は急接近。きっかけは、共通の趣味である釣りでした」(スポーツ紙記者)
それまで仕事の現場で顔を合わせることはあったが、挨拶程度だったという。ところが、知人を介して釣りに同行するようになると、運転免許を持たない大野のために、加藤と後輩が交代で運転をして送迎、現地に赴く態勢ができあがった。大野宅へ泊まったのは、翌朝の出発時間が早かったから。前夜は、釣りやラジコンのDVDを観ながら、盛り上がったという。別の年には、クリスマスに釣り仲間と共に過ごし、三宅島旅行もしている。
「大野は08年と15年の2回、これまでの作品を集めて個展を開き、2冊の作品集を出版しました。個展の前売り券はいずれもソールドアウト。上海でも開催し“芸術家・大野智”の名がアジアにも広がりました。これに触発されたのが、当のカトシゲです。大先輩で超売れっ子の大野がアイドルの枠にとらわれない行動を起こしたことに背中を押され、小説を書き始めたんです」(前出・スポーツ紙記者)。
14年に初小説「ピンクとグレー」を出版すると、コミック、文庫本などの累計発行部数が45万部を突破するスーパーヒット。昨年末に出版した最新刊「チュベローズで待ってる」(上下巻)も、またたくまに15万部を売り上げた。ジャニーズ初のベストセラー作家誕生の陰に、大野あり。大野は、ジャニーズにおけるインフルエンサーなのだ。
(北村ともこ)