タレントで女優のYOUが、芸能界の「手切れ金」について語った。8月7日放送の「バイキング」(フジテレビ系)では日本ボクシング連盟を巡る騒動を特集。アマチュア選手がプロに転向する場合、選手強化寄付金という名目の金銭を連盟に対して支払う「アマチュア規則」の存在などが明かされた。
この寄付金についてYOUは「(芸能)プロダクションみたいな考え方」と指摘。司会の坂上忍から「事務所を移籍するときの手切れ金って本当にあるの?」と訊かれると、「あります。私も払ったことあります」と明言したのだ。その手切れ金について芸能ライターがささやく。
「ネットでは手切れ金について“芸能界の闇”と指摘する声もありますが、それは穿ちすぎです。スポーツ選手の移籍金と同じようなもので、商品価値の高いタレントが事務所を移籍する際に移籍金が発生するのは珍しいことではありません。契約満了に伴う移籍なら移籍金は不要のはずとの指摘もありますが、事務所側ではスカウトの段階からコストを掛けていますし、若手のころは育成費用もバカになりません。そしてタレントが成長し、いざ回収という段階であっさり移籍されたらたまったものではないので、移籍金は業界全体の発展にとっても有効な手段です。一部では強硬な独立阻止や芸名使用の禁止が問題になっていますが、それを移籍金(手切れ金)と同一視するのは風呂敷を広げすぎでしょう」
では移籍金は、どんな形で、どれくらいの金額が支払われるのか。芸能ライターが続ける。
「よくあるのは『買い取り』。小規模な芸能事務所に有望なタレントがいた場合、大手の事務所が移籍金を支払って移籍させるというものです。ずいぶん前のケースですが、一気にブレークしたグラドルが移籍した際に800万円が動いたという話もありました。同様のケースで地方のモデル事務所には、地元の若い子をじっくりと育成し、東京の事務所に移籍させることで経営を安定させている所もあります。あと独立を強行したいタレントが所属事務所と揉めた場合、大手の事務所が仲介に入って『移籍金』を肩代わりするケースも。タレントは別の事務所に移籍し、その売り上げを新事務所と大手事務所が折半することで移籍金を精算するのです。同様に強硬移籍のケースでは、新事務所と旧事務所が手打ちをし、移籍後しばらくは売り上げをすべて旧事務所に収めるという契約を結ぶこともあります。この場合はいわば、移籍金の後払いとも分割払いとも言えるでしょう」
いずれにせよ移籍金が発生するのは、そのタレントが将来有望なケースに限られる。つまりYOUの場合も「金の成る木」とみなされていたわけで、だからこそ今回も気軽に自らの移籍金について口に出せたのかもしれない。
(白根麻子)