夫婦で家事や育児を分担している家庭は、コロナ禍によって分担そのものに変化が起きているのではないでしょうか。
子育て支援アプリの企画・開発などを行うエバーセンスが2021年2月8日~3月17日、同社のアプリ『ninaruポッケ』『パパninaru』利用者の男女449名に対して行った『家事・育児分担に関するアンケート』の結果、コロナ禍での家事・育児について、孤独感や心細さを「とても感じる」「少し感じる」と回答した人が46.8%となったそうです。
また、配偶者・パートナーと話し合う時間について、30.5%が「とても増えた」「少し増えた」と回答しており、コロナ禍によって話し合う時間が一定数増えているようです。そして、配偶者・パートナーと話し合う時間が増えた人ほど、家事・育児分担の満足度が「高い」人の割合が多くなっており、話し合う時間が重要であることが分かります。
しかしながら、いまだに妻に対する負荷が高いのも事実。家事・育児分担の割合について、理想は「夫:妻=5:5」と答えた人が最も多かったものの、実際は「妻が7割以上」を担う傾向にありました。
多くの家庭では、家事や育児の分担をどうするか試行錯誤していることと思いますが、いったいどのような解決策があるのでしょうか。
このアンケート調査からは、そのヒントも得られます。家事・育児の満足度を上げるために必要なことを尋ねたところ、男女ともに「夫婦でよく話し合い協力する」が、夫68.4%、妻64.0%で1位となりました。話し合うことが結局のところ、最高で唯一の対策なのかもしれませんね。
2位の回答では、夫の「家事・育児の知識を深める」が65.8%、妻の「家電や便利グッズを活用する」が58.3%と目立っていました。夫は理解をもっと深め、妻はもっと道具を頼って積極的に効率化するといったアイデアがあるようです。
コロナ禍で夫婦の意識の変化が起きているのが分かる、別の調査があります。家庭用品などの製造・販売を行うクレハが2020年に実施した『共働き夫婦の家事シェア事情』に関する調査では、「今後も夫婦が協力して家事・育児の分担を続けていきたいと思うか」という問いに対しては、「はい」が夫・妻ともに95%を超える結果となったのです。
また、家事・育児の両立において重要だと思うものに対する問いでは、「配偶者への思いやり」が65.0%とトップとなり、次いで「配偶者へ感謝の気持ちを伝える」が57.8%で2位となっていました。
これらの結果で分かるのは、コロナ禍は“夫婦間のコミュニケーションの重要性の理解が増すチャンス”であるといえるのかもしれませんね。