あなたは、心から幸せを感じて満たされたことはありますか?
人間は欲望の塊りです。ひとつ手にしたら、もっと欲しいものが現われます。だって、子どもの頃は100円するかしないかのアイスキャンデーで、お口も心も満たされませんでしたか? それが、今はどうでしょう。より美味しいといわれるスイーツを探したり、わざわざお取り寄せをしたり、お金と時間を費やしてしまいます。
ファッションでもそうですね。去年は去年でお気に入りの服を購入したはず。でも、今年は今年でまた違う素材やデザイン、ブランドを求めてしまうのではないでしょうか。
つまり、今ある物欲をどんなに満たしても、心から満たされる幸せな気持ちにはなりにくいということなのです。モノを得ても心はいつも満たされていなくて、違う何かを求めます。
実は、富や美、健康など“環境”による幸福度は10パーセントほどという研究結果もあります。逆に、遺伝で5割、行動で4割が幸せを感じるようになるそうです。
もちろん、新しい何かを求める心から、新しい何かは生まれます。とくに、クリエイティブやアートの新しい発想やスキルなどのモトは、“貪欲さ”なのかもしれません。でもその一方で、「もう、なにも追いかけなくてもいいよ」「頑張らなくていいんだよ」と、自分の心を癒やして安らぐときも欲しいと思うのかもしれません。
そんな穏やかな幸せを実現してくれるのは、お金でもなく高価なものでもありません。“心から誰かを愛すること”なのです。
誰かを本気で愛すると、人は“幸せホルモン”というオキシトシンが分泌されます。これは、スキンシップや優しい言葉の触れ合いから分泌されます。手をつないだりハグしたり、優しい言葉で感謝をすることで分泌され、心が穏やかになるのです。
幸せになるかどうかは、つまりは私たちそれぞれの“心の在りよう”ということです。お金で手に入らない幸せですが、それを手にするのは意外と簡単なのかもしれません。そして、ちょっとしたコツをつかめば、誰もが手にできる幸せなのかもしれませんね。
安藤房子(あんどうふさこ) 恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テストの作成やメディアでMCとしても活躍中。