谷原章介が立てこもり事件の警察対応に疑問…専門家も「やるべき」と指摘

 埼玉県蕨市の郵便局で銃を持った86歳の男が立てこもりをした事件について、俳優・谷原章介が抱いた疑問を口にしている。

 10月31日、蕨市郵便局では男がおよそ8時間にわたって籠城した末、突入した県警によって人質強要処罰法違反の疑いで逮捕された。男は、立てこもりの1時間前、郵便局から1.5キロ程離れた戸田中央総合病院で発砲し、男性医師と患者が負傷する事件も起こしたとされる。

 同日の22時を過ぎた頃に男は取り押さえられ、現場からは拳銃や包丁のような刃物、そして、灯油容器、液体の入ったペットボトルも発見されたという。

 明けて11月1日生放送の「めざまし8」(フジテレビ系)では、立てこもりの最中、男が銃のようなものを持ち、郵便局周辺を見渡す様子を映した映像を紹介。これについて、番組MCの谷原は「結果、(人質だった)女性2人が無事だったんですけど、容疑者が数十秒間、外に全身をさらして顔を出した場面があったじゃないですか。あそこで警察として何らかの手を打つことって考えられないんでしょうか?」と、元警視庁警備部特殊部隊隊員(SAT)の経歴を持つ伊藤鋼一氏に尋ねた。

 これに伊藤氏は「本来であれば、私はやるべきだと思うんですよ。でも、まだまだ日本というのは銃社会ではないので、個々の警察官が判断をして、立てこもり事件でやれるかというと、なかなか難しい部分がある。判断はあくまでも上層部がすることになる」と答え、日本の警察官がこのようなシチュエーションには不慣れだと指摘している。

「言葉を選びながらも、要は谷原は“あの数十秒間に犯人を狙撃できなかったのか?”との疑問を抱いたわけです。これにアメリカ大統領の国賓警備を担当したことがある伊藤氏も『やるべきだった』としつつ、やはり、多くのメディアがその様子を生中継していたことも、警察官が躊躇してしまった要因だったのかもしれません。ネットでは、谷原の見解に対し、『単独犯だという確証が100%得られない限りは難しそう』『私も個人的には撃てば良いのにと思いましたが、上手くいかなかった時を考えると、人質がいるから無理でしょうね』『姿を見せたから狙撃なんて、日本でできる訳がない。クマを駆除しただけで苦情入れるような連中が、高齢の犯人を狙撃する必要があったのか…と騒ぐのがオチ』などの反応が出ており、アメリカのようにはいかないと考える人が多かったですね」(テレビ誌ライター)

 人質の怪我もなく収束したのは幸いだが、銃を持っての籠城事件が社会に与えたショックは大きい。

(木村慎吾)

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