一話をまるまる費やすなら、もっと派手にやってほしかった! そんな声が続出しているようだ。
3月11日放送のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」第112回では、作曲家・羽鳥善一(草彅剛)の作曲二千曲を記念したビッグパーティーが開催。ヒロインのスズ子(趣里)が茨田りつ子(菊地凛子)と共にラインダンスを披露し、盛り上げる場面が描かれた。
このパーティーは史実を反映したもの。羽鳥のモデルである服部良一氏も同様に二千曲記念ショーを開催。本作のモデルであるブギの女王こと笠置シヅ子が、ブルースの女王こと淡谷のり子と共にラインダンスを披露していたのである。
「本作では笠置シヅ子の芸能人生にとって一大トピックであるアメリカ巡業を、写真数枚で済ませてしまっていました。それゆえ二千曲記念パーティーでも適当にお茶を濁すのかと思ったら、ちゃんとスズ子とりつ子の二人がダンスを披露したのだから、逆の意味で驚きましたね。とはいえその内容はやはり不満を感じさせるものでしたが…」(テレビ誌ライター)
服部良一氏のショーは東京と大阪で催され、東京公演は日本劇場にて開催。4000人ものキャパシティを誇る、日本を代表する大ホールだ。本作にも日帝劇場の名称で登場し、スズ子が何度もワンマンショーを開いていた場所である。
ところが今回の二千曲記念パーティーはなぜか、結婚式場レベルのこじんまりとした会場で開催。ステージ上に掲げられた「ビッグパーティー」の看板とは裏腹に、関係者だけでいっぱいになるようなスモールなパーティーだったのである。
「これまで何度も日帝劇場でのステージを描いてきたのに、なぜ今回のパーティーが小規模会場で開催されるのか、さっぱり意味が分かりません。さらに言えば、小規模とはいえ今回のパーティーを描くのであれば、それこそアメリカ巡業こそちゃんと映像で観たかったというもの。同じ規模の会場でいいから外国人の観客を入れればアメリカ巡業を再現できたはずです」(前出・テレビ誌ライター)
大規模に開催されたアメリカ巡業の様子は描かず、実際にあった二千曲記念パーティーはとんでもなく小規模で再現する。本作の制作陣は気合い不足もはなはだしいのでは、と呆れる視聴者が多いのも当然ではないだろうか。