「きらきらアフロ」(テレビ東京系)が23年もの歴史に幕を降ろしたのは9月26日のことだった。
笑福亭鶴瓶と松嶋尚美が立ったまま30分間、台本ナシで身近な日常の話をしたり、突然始まるスタジオ観覧者との生トークなどを繰り広げるこの番組は当初、日付けが替わる5分前に始まる番組だった。しかし放送時刻がどんどん深くなり、最終的には午前2時5分スタートという「ど深夜」になってしまったのだが、それでも一定数のファンの心をしっかりつかんでいた。私も心をつかまれていた。
そんな「きらアフ好き」の度肝を抜く番組が10月30日深夜24時から始まった。鶴瓶とリリー・フランキーが立ったまま30分間、台本ナシでスタジオに観覧者を入れて形式でフリートークする「素っ頓狂な夜」(テレビ東京系)は、松嶋尚美がリリーにチェンジしただけの「きらきらアフロ」だったのだ。
1977年にリリースされた沢田研二の21枚目のシングル「憎みきれないろくでなし」の大サビとともに番組がスタート。スタジオ観覧者を映していたカメラが画面右手から登場する鶴瓶とリリーを映した時には「この番組が始まるから『きらきらアフロ』は終わったんだ」と理解した。
さらにトークが始まると、画面左下に2人が話している内容を知らせるキャッチコピーが登場。番組序盤には画面左下に「観覧はいつでも募集中です。」の文字が並ぶ。これはあえて「きらきらアフロ」と同じように制作しているのだと「すん」とした。
鶴瓶はリリーに対し、どんな場面でもどんなカッコウをさせても「すーっと溶け込む。あれなんやの?どんな術なの?」と愛のあるツッコミをしていたが、「素っ頓狂な夜」が広く長く愛されるかどうかはリリー次第だろう。「下半身丸出し」に抵抗感がなさそうな2人なだけに、この番組が終わる時はそうした放送事故があった時だろう。
(津島修子)