日々便秘に悩まされている人はもちろん、普段は「それほどでもない」という人も振り返ってみてください。秋に入ってからなんとなく便秘になりやすくなっていませんか？ 実はそれ、水分が足りていないことが原因かもしれませんよ。とくに、秋冬は“隠れ脱水”になりがちなんです。詳しくみていきましょう
■秋冬に便秘になりやすい理由とは？
秋冬は、夏と比べて汗をかかず、喉の渇きを感じにくいことから、水分補給の機会が減りがちです。水分補給をしているつもりでも、水分の約80％以上は小腸で吸収され、大腸には20％程度しか届かないそう。そのため、水分が足りないと本来便に含まれるはずだった水分が大腸に吸収されてしまい、便が硬くなって便秘になってしまうのです。秋冬はこの隠れ脱水による便秘に注意しなければなりません。
■水分補給チェックリストで隠れ脱水をチェック！
あなたは水分足りていますか？ 次のリストでチェックしてみましょう。
□ 秋冬でもしっかりと水分を取る（目安:1.5L/日）習慣がある
□ 汗をかいたら水分補給は欠かさない
□ のどの渇きを感じない
□ 食事の基本は規則正しく、腹八分
□ 毎日規則正しく排便がある
□ 便の色は茶色または黄色だ
□ 自分のおならの臭いが気にならない
※たにぐちクリニック 谷口一則院長監修
該当する項目が多いほど、水分補給がしっかりとできています。一方、該当する項目が 3個以下の人は、腸の水分が不足している恐れがあるそうです。
■脱水便秘を解決するには水分補給と腸活がカギ！
●効果的な水分補給方法
のどが渇いていなくてもこまめに水分補給するのがポイントです。食事も重要な水分補給源なので、欠食しないようにしましょう。お酒を飲む機会には水も一緒に。運動するときには、コップ1杯の水分を15分ごとに摂取しましょう。
●腸内環境を整える方法
便秘は腸内環境にも左右するため、食事で腸活を行うことも意識したいものです。腸内に棲む細菌のうち、善玉菌を増やして優位にすることが重要といわれますが、その善玉菌の中でも代表的なのが乳酸菌とビフィズス菌です。でも、乳酸菌やビフィズス菌を摂取するだけでは増殖しないため、エサとなる成分を摂取することが重要です。食物繊維やオリゴ糖などを摂取しましょう。
特にオリゴ糖の一種であるラクチュロースと呼ばれるものは、ビフィズス菌の餌になることから、日本人の腸内環境改善に適した甘味料として注目されています。ラクチュロースというと馴染みがない人も多いと思いますが、森永乳業が1960年に世界で初めてラクチュロース入り粉ミルクを発売するなど、実は私たちの身近にある存在なんです。腸内で浸透圧を高めて水分保持量を増やすことから、便を出しやすくする働きがあるといわれます。
食物繊維も重要です。便秘を予防するには、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性植物繊維を1対2の割合で摂取するのが理想的だといわれます。水溶性食物繊維を多く含む食品には、海藻類、いも、柿、りんごがあり、不溶性食物繊維を多く含む食品には豆類、ごぼう、栗、かぼちゃ、きのこ類があります。意識して摂取するようにしましょう。
この秋冬、水分補給と腸活を行って“隠れ脱水”による便秘を防ぎましょう！
