来る7月に、日本人アーティスト史上初となる年に2度目の5大ドームツアーを控える関ジャニ∞。メンバー全員が楽器を弾けて、音楽的クオリティも高いうえに、芸人さながらのコントやフリートークもできるという特異なアイドルグループだ。
今ではドームのチケットさえ入手困難だが、結成当初は、関西ジャニーズJr.の登竜門といえるキャパ1000人の大阪・松竹座さえ埋められなかった。KinKi Kidsのバックダンサーを務め、自身のライブも開いていたが、メンバーは食うに困る状態。とにかくお金がなかった。
「地元の関西から東京に向かうときの新幹線代がもったいないと夜行バスで移動したり、漫画喫茶の980円コースで一夜を過ごしたり。ハードな仕事のときは、会社からグリーン車のチケットが配布されたそうですが、自由席に替えて、その差額で食事をしたとか。マルちゃん(丸山隆平)にいたっては毎回、夜行バスを使っていたそうです」(アイドル事情に詳しいフリーライター)
当然、専属マネージャーもつかなければ移動車もない。ロケ現場には、自分で調べて現地に行った。低予算で知られる関西のローカル番組のロケは無茶ぶりがおおいが、せっかく手にした数少ない仕事を逃すまいと、とにかく必死だった。
「ブレイク元年は2007年。ジャニーズ初となる全国47都道府県ツアーと、グループ初の東京ドーム公演を成功させました。メンバーはあのときの達成感を忘れていないから、今でもハングリー精神を失っていない。食えない時代が関ジャニを骨太にしたといっていいでしょう」(前出・フリーライター)
7人の活動の幅は無限大に広がっている。
(北村ともこ)