お笑いタレントの明石家さんまが10月15日放送の「1番だけが知っている」(フジテレビ系)に出演し、先輩のビートたけしと自分はいつまでもテレビに出続けていてはいけないとの見解を示している。
さんまにたけし、そして同じくお笑いタレントのタモリら3人は芸人界の“ビッグ3”と称され、長きにわたって人気バラエティ番組やトーク番組を仕切り続けてきたお笑い界の超大物であり、一方で、いつまで経っても彼らのポジションを揺るがすほどの後続タレントが台頭せず、新陳代謝という観点においては停滞をもたらす要因とも言える。
さんまもそうした状況に危機感をおぼえていたようで、たけしに対して現役引退を説いた過去があることが番組内で明かされた。「僕ら2人が長いこと出続けるのはテレビ的におかしい。僕らは辞めた方がいい。上が抜けないとダメですから」と、たけしに自身を含めた“同時引退”を持ちかけたことがあると話すも、たけしからの返事は「やなこったい」だったという。
「下の世代のことを考慮して自分のたちの世代は引退するべき、という自身の考えを明かしたさんまですが、先日はこれとは全く異なる持論を展開していました。元歌手の安室奈美恵さんがファンから惜しまれつつも引退の道を選択したことについて、さんまは自身のラジオ番組内で『人気が凄い時に辞めるっていうのはファンに対してはどうかなと思うんです』『支持してくれる人が1人でも残ってたら、(芸能界に)残らないといけないんじゃないかって思う』と話しています。この安室奈美恵さんに対するコメントは9月22日放送のラジオ番組での発言で、今回“下の世代の為に上が抜けないとダメ”と話すまでに1カ月もたっていない。この間にさんまの中で考えが変わったのかは分かりませんが、“引退”というテーマについては、彼の中でも揺れ動いて錯綜しているのかもしれませんね」(テレビ誌ライター)
もちろん、現時点でさんまやたけしの人気は健在で、引退となれば多くのファンが悲しむことは必至だ。ネット上でも「下の為に辞めてあげるというのはおかしい。たけしやさんまもドリフターズや欽ちゃんの天下から実力で下克上を成し遂げた。今の若手もトップに上がりたいなら実力でたけし、さんまを越えればいい」などと、大御所に気を遣わせてしまう不甲斐ない中堅世代へのハッパをかける声もある。
強敵すぎる“ビッグ3”をなぎ倒す新星が現れた時こそ、たけしやさんまが安心して引退できるタイミングなのかもしれない。
(木村慎吾)