平均視聴率は歴代13位の16.5%。事前の酷評もなんのその、伝統番組の強みを見せつけた「24時間テレビ42 人と人~ともに新たな時代へ~」(日本テレビ系)。そんな中、不必要と言われて久しい恒例の芸能人マラソン。今年はついに1人では盛り上げられないと判断されたのか、局アナまで巻き込んでの「4人の駅伝リレー」。「もうやめちゃえば」との声は“ノイジーマイノリティ”のものだと言わんばかりに、マラソンフィナーレに向けて視聴率はうなぎ上りだった。
「最終ランナーのいとうあさこさんが両国国技館のゴールに間に合うかどうか、そんな演出がされた番組エンディングの午後8時51分には瞬間最高視聴率39.0%を記録。SNS上でも『本当にそんなに見てるの?』と声があがるほどの視聴率を記録しました。でも、いとうさんはついに間に合わず、番組終了後にゴール。フィナーレシーンは続く午後9時スタートの『行列のできる法律相談所』で放送されました。いとうさんがゴールできないまま放置された視聴者が見続けたんでしょうね。『行列~』は26.3%という異例の高視聴率をあげて、日本テレビとしては万々歳の結果となりました。そのおかげで同時刻放送のドラマ『ノーサイド・ゲーム』が初めて9.7%と2ケタを割るなど、他局には影響が出たようです。そんなこともあって、今回の『24時間テレビ』には出演者ギャラ問題などでセット語になった『偽善』という言葉以外にも、あまりいい意味では使われない2文字が多く書き込まれていましたね」(エンタメ誌ライター)
その、SNS上でよく見かけた文字とは「巧妙」の2文字。およそボランティア番組とは思えない言葉が飛び交った理由の多くは「いとうあさこはあきらかに間に合いそうだったよね」「最近は偽善に加えて作りが巧妙になってる。行列を生放送にしたのも最初からの演出でしょ?」「水トちゃんが4人目のランナーとしてもったいぶって発表されたのにアンカーじゃないのが怪しすぎた。いとうあさこならスローダウンしてもカムフラージュできると思うし」「募金を募ってギャラを払ってる番組が地球を救えるとは思えないけど、番組構成もあざとさが増してる。誰かも書いてたけど視聴率取るために巧妙に作られてる感じ」と、番組への疑心暗鬼から生まれたものがほとんど。
「24時間テレビといいながら、最初から26時間半も放送枠があります。それゆえ『行列』まで食い込んで27時間テレビになったとしても、文句のつけようがないということでしょうか。しかし、注目される数字は集まった募金額よりも視聴率。深夜の時間帯では人気芸人・EXITの兼近大樹が中学時代に“二股交際”していたというネタを取り上げましたが、これには『捏造疑惑』も持ち上がっていたり、7月に急逝したジャニー喜多川さんの追悼企画として、ジャニーズタレント勢揃いで熱唱するプログラムを設けたりと、さながら“高視聴率狙いのバラエティ番組”といった様子でしたからね」(前出・エンタメ誌ライター)
もっとも、いくら視聴者がブーイングしようとも、高視聴率コンテンツ「24時間テレビ」は半永久的に続くはず。ならば、視聴率を取るために来年はどんな“巧妙”な仕掛けでくるのかに注目するというのも一興なのかもしれない!?
(小机かをる)