お笑いタレントの明石家さんまが5月26日放送の「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)に出演し、同番組では初となるリモートでの収録に挑んだ。
新型コロナウイルスの影響により、スタジオの中央に1人で配置されたさんまの両サイドには透明のアクリル板が設置され、“ミスター飛沫”ことさんまの口から唾液や息が周囲に拡散されることを防いだ。
共演者からは「いつもこれがあったらありがたいんですけど…」との本音も漏れる中、さんまはどこかぎこちなさそうな様子で収録に臨み、タレントの秋元才加や中川翔子らとクロストークを展開。不慣れな環境下でも無事に爆笑をもたらし、初のリモートでのさんま御殿収録を終えている。
「おそらく大御所のお笑いタレントの中では最もコロナ禍のリモート収録で弊害を受けるのが明石家さんまかもしれません。例えば、地上波テレビ番組で司会やレギュラーを任されることの多い爆笑問題の太田光やダウンタウンの松本人志といった面々は、独自の解析や思想、コメント力といった自己完結型のボケで笑いを取ることができます。一方で、さんまはゲストや共演者との掛け合いやリレーションで笑いを作っていくため、相手にもテンポやリズムを求める傾向が強く、ソーシャルディスタンスやリモートで掛け合いの間がズレてしまえば、さんまの求める笑いとは異なる形式になってしまう可能性が高いですね」(テレビ誌ライター)
なお、さんまと共演する機会の多い中川家の剛は自身がパーソナリティを務めるラジオ番組「DAYS」(ニッポン放送)の中で、コロナ禍によって番組の収録形式が大きく変化して以降、「さんまさんが全然笑わなくなった」とコメント。バラエティ番組のカタチが変わりつつある現状について憂いている様子だったとし、収録後の楽屋でも独り言として「これからどうなんねんやろ、どうなんねんやろ」としきりに心配していたとも明かした。
しばらくはコロナと付き合いながら共存していく新しい生活様式への適応が求められることになりそうだが、アクリル板に囲まれた“お笑い怪獣”はそうした変化にどこか物悲しさを覚えているのかもしれない。
(木村慎吾)