町の健康センターに数百人のマダムたちが集まり、色とりどりのサイリウムを揺らす。メンバーは華麗に歌い、踊り、そして客席に降りてファンとのスキンシップに余念がない。「噂のムード歌謡」アイドルグループ「純烈」のライブは、今、日本でもっとも濃密な空間かもしれない。今回は最年少メンバーの後上翔太を直撃インタビュー。
──メンバー最年少というポジションはいかがですか?
後上 僕もついに30歳になったんですけど、それでも、グループの中で末っ子というのはずっと変わらないんですよ(笑)。まあ、それが役得というのはあります。
──年齢にバラつきがある「純烈」に参加したのはどんな経緯で?
後上 当時の事務所に呼び出されて、そこで見せられたのが前身だった「カズ酒井と東京ダンディ」のPVで。社長に「どうだ?」と聞かれて、本音は「ちょっとダサいな」だったんですけど、つい「渋くてカッコいいっすね」と言ってしまって。そこからトントン拍子にリーダーと面接することになり、僕は大学生だったんですけど「学校、辞められるよな?」と言われて、思わず「辞めます!」と言ってしまいました。
──半分、拉致されたような(笑)。家族の説得が大変そうだ。
後上 完全に事後承諾ですよ。というか、1年間は実家に近づけませんでした。今ではようやく親父も健康センターのライブに来てくれるようになりましたが。
──最年少ゆえに熱烈なファンの方も多そうですね。
後上 毎回いらっしゃる方で、僕らのCDを1600枚も爆買いしていただいたんです。テレビでも紹介されましたが、それこそ「CDの海」で寝られると(笑)。ああいう方がいらっしゃると、絶対、裏切ってはいけないと思いますね。
──その真面目さこそ“末っ子”の本領ですね。