5月7日放送の「あさイチ」(NHK)で、最終週前の企画として朝ドラ「おちょやん」がとりあげられ、ヒロインの杉咲花が登場し、これまでの物語や楽屋での裏話などを披露した。
「最近の連ドラでは、最終回に向けた最後の視聴率アップの策として、直前にスペシャル企画をやることがお約束になっていますが、NHKでも恒例行事になっています。近年の朝ドラに比べて、視聴率こそ苦戦していましたが、杉咲はじめ、演技達者な出演陣の熱演に、評判は上々。番組には熱心な視聴者からもさまざまなコメントが寄せられていました」(芸能ライター)
コメントのなかで注目されたのが、杉咲の関西弁。視聴者からは、「大阪弁が完璧です」や「南河内出身の私でも自然に聞けた」という声が届いたのだが、その裏には涙ぐましい努力があったようだ。
「MCの博多華丸・大吉の2人も『杉咲が関西出身に見えてきた』とコメントしていました。東京出身の杉咲花の努力は、披露された台本に刻まれていました。1シーンで10行もあるような長セリフの脇である行間にはびっしりと矢印や点々が書き込まれていたのです。セリフだけでなく、自分なりに感じたイントネーションやアクセントをその記号に置き換えて、すべて覚えたそうです」(前出・芸能ライター)
朝ドラの収録は月曜日のリハーサルに続き、全5日1週間分を後半の日程で収録するというスケジュールで進んでおり、土日しかセリフを覚える時間はないのだとか。杉咲は、その月曜日のリハーサルに、台本を持たずに臨んでいたというのだ。相手のセリフも覚えなければならないうえ、イントネーションや抑揚も含めて全部覚えなければいけない。杉咲は、スマートフォンの録音機能を使って相手役の台詞を録音し、それに対話するように自分のセリフを繰り返し練習することで覚えていったのだそうだ。
番組では、モデルとなった喜劇女優・浪花千栄子と杉咲の共通点を紹介。その共通点こそ、セリフの覚え方だという。浪花は、当時はまだ珍しかった録音機を自宅に置き、相手のセリフを録音して、セリフを覚えていたのだそうだ。そのエピソードは杉咲も知らなかったようで、同じ覚え方に驚愕した様子も見せていた。
役柄だけでなく、役者魂も浪速にそっくりだったということか。(伊藤その子)