喧嘩するほど仲がいい、という言葉がありますよね。では逆に、仲がいいカップルほど喧嘩をするともいえるのでしょうか。そしてその喧嘩の程度とは……?
心理学的には、仲がいい関係の2人ほど、とりかえしがつかないほどに関係が悪化しやすいといわれています。関係悪化の原因は、「恋するドキドキの気持ちが冷めてきたから」。最初のうちは相手のどんな部分でも魅力的と感じて、とても近い距離にいるようになって頻繁に連絡を取るようになるのですが、それこそが命とりにつながるのです。関係悪化の要因をまとめると、次の3つのようです。
■関係が親密である……自分とパートナーとの一体感の程度をさします。「2人でひとつ」という感覚が強いほど関係は親密であり、関係悪化の要因と考えられます。
■相互依存性の程度が高い……一緒に過ごす時間や一緒に何かを行う量が多く、2人の関係をキープするために、気遣ったり配慮したりする程度が高いことを指します。
■パートナーとの関係が自分の軸となっている程度が高い……相手がいることで、安心したり安定したりする気持ちで過ごせているかどうかの程度のこと。自分がしっかりと生きるために、どのくらい相手の存在が大きいかということを指します。
これらの3つの程度が強いほど、仲のいい関係は長く続くともいわれています。しかしその一方で、関係が悪化したときには後々まで引きずり、深く悲しみ傷つくような結末を迎える可能性が高いともいわれているのです。
親しい間柄ほど、お互いのいいところも悪いところもよく知っている。かなりオープンに深く話せる間柄ともいえます。このことがマイナスの方向に作用し、お互いのマイナスポイントを指摘し合うなど、ある程度距離のある間柄の2人よりも泥沼の喧嘩になりがちなのかもしれませんね。
そして私たちは、こういう「親しい2人こそ泥沼になりやすい」という現実を、心理学説を知らないまでも肌感覚で知っているのではないでしょうか。だからこそ、深い恋愛を避けて、浅い男女間の友だちでいるという若い世代が少なくないのかもしれません。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)