歌手の松田ゆう姫が3月30日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)に出演し、第94回アカデミー賞授賞式でプレゼンターにビンタを食らわせた俳優のウィル・スミスに苦言を呈した。
スミスは28日に開催された同式典にて、コメディアンのクリス・ロックから、妻・ジェイダさんの髪型をイジるコメントをされたことに憤慨。大勢が見守る生放送中に強烈なビンタを見舞い、大変な騒動となっていた。
その後、スミスはインスタグラムを更新し、自らの暴行を謝罪。ロックに対しても「僕が間違っていた」と詫びていたが、授賞式を主催する映画芸術科学アカデミーは「スミスの行動を非難する」との声明を発表し、今後は彼に何らかの処分を下す見通しとなっているという。
松田はこの衝撃の一部始終を映像で見ていたことを明かし、「ウィル・スミスさんに対して、凄い嫌悪感を覚えましたね。そこまでやる必要が(あったのか)。だから、一線を越えたなという感じがした」と感想。ロックは、脱毛症に悩まされるジェイダさんに向けて「『G.I.ジェーン』の続編を楽しみにしてるよ」と呼びかけ、丸刈りにした女性兵士が主人公の作品を引き合いに出していたが、松田は「だって、彼はコメディアンで。『G.I.ジェーン』っていうネタがそもそもが私的にはそんなに笑えない、ただのあんまり面白くないネタというだけだった。だけど、あそこまでのアクションを起こしたのは“ちょっと大丈夫?”って」と語った。続けて、「あれは暴行罪に近いっていうか、もしクリス・ロックが被害届を出したら暴行罪になるわけで。それをあのアカデミー賞という伝統のある場所でやるっていうのは、ちょっと謎だったし、全体的に違うなとは思いました」と、やはりスミスの行動を疑問視。ジェイダさんに対するロックのブラックジョークにも多くの非難が集まっているが、「今回のネタに関しては、『G.I.ジェーン』がなんでそこまでの中傷だったのかな?」とも不思議がっていた。
「ウィル・スミスの行動をめぐっては、世界でも様々な見解が寄せられており、アメリカでは、彼の振る舞いを過剰なものだったとして批判する声も目立っています。松田もまた、スミスの暴行に『嫌悪感』を覚え、『一線を越えた』と考える1人であることを説明しましたが、国内のネットからは、彼女の『ネタがそもそも笑えない』『そこまでの中傷なのかな?』との主張に対する反論が続出。『確かに暴力は良くないです。ただ、この方の言葉にも嫌悪感を覚えます』『苦しんでる病気を、世界が注目する場でジョークにされて、傷付かないという意見のほうがわからないな』『“そこまでか”どうかは、言われた本人じゃなきゃわからないですよね』との指摘や、『2人ともやったことは同じ。どちらか一方だけが悪いのではなく、どっちも悪い』『人の精神的苦痛を無視するのはあり得ない』といった声も見られました。松田の言う通り、スミスの暴力が許されないことは当然ですが、彼女のコメントの中に、ジェイダさんの苦しみに対する理解が欠けていたとの印象を抱く人が多かったようです」(テレビ誌ライター)
全米だけで1500万人以上が視聴していた今回のアカデミー賞だが、皮肉にも、現在はスミスの強烈なビンタシーンが最大のハイライトとなっている。
(木村慎吾)