これは異常事態なのか。北川景子の主演ドラマ「家売るオンナ」(日本テレビ系)が第2話にして、夏ドラマの視聴率首位から陥落。代わってトップに躍進したのは69歳の寺尾聰が主演を務める「仰げば尊し」(TBS系)だったのである。テレビ誌のライターが驚いた様子で語る。
「今夏のドラマには抜けた作品がなく、『家売るオンナ』でさえ第1話は12.4%どまり。その意味では他のドラマにも首位を伺うチャンスはあったのですが、吹奏楽部が主役の『仰げば尊し』にそんなパワーがあったとは意外でした。なにしろTBSでは昨夏の『表参道高校合唱部!』が平均視聴率5.9%の爆死でしたから、またもや高校の音楽系部活動をテーマにしたことで『正気なのか!?』との声もあがっていたほどです」
その「表参道高校合唱部!」と今回の「仰げば尊し」では、イケメン俳優が多数出演している点が共通している。その両者に大きな視聴率の差が生まれるた原因は何なのだろうか。前出のテレビ誌ライターが指摘する。
「それは徹底したイケメン推しです。『表参道高校合唱部!』ではヒロインの芳根京子をはじめ、吉本実憂や森川葵らの女性キャストが中心的な役割を果たしており、高杉真宙らのイケメンは添え物的な扱いに過ぎませんでした。その反省なのか『仰げば尊し』では、多部未華子やE-girls石井杏奈のほうが添え物で、物語は基本的にイケメンたちを軸に進みます。その様子を2008年のヒット作『ROOKIES』になぞらえる視聴者も多く、TBSが勝利の方程式を復活させたと評価する女性ファンは多いようですね」
やはりドラマの視聴者を支えるのは女性視聴者だったのか。北川景子が負けた相手は69歳の寺尾聰ではなく、真剣佑や村上虹郎といったイケメン勢だったようだ。
(白根麻子)