女優の松嶋菜々子が3年ぶりに連ドラ主演を務めて話題となっている「営業部長 吉良奈津子」(フジテレビ系)。物語は、広告代理店の元売れっ子クリエイティブディレクター・吉良奈津子が、結婚・出産を経て3年ぶりに職場復帰をするというストーリーだ。
3年のブランクや、仕事と育児の両立などに苦戦しながらも奮闘する40代女性を描くということで、ワーキングマザーをはじめとした“働く女性”たちから注目を集めている。
ところが放送が進むに連れて、ネット上には不満の声が続出。特に多いのが「高収入正社員で育休3年も取ったうえに復職できて、おまけに子供を保育園に預けられる設定にはまったく共感できない」「ベビーシッターを雇える経済力が一般庶民とかけ離れている。保育園に預けるのも大変な人たちにはまったく参考にならない」といったもので、多くの働くママたちにとって設定があまりにも“非現実的”だというのだ。
数多くのワーキングマザーを取材している女性誌ライターは、「期待感が大きかっただけに不満が爆発しているのでは」と言ってこう続ける。
「職場復帰したくても保育園に入れられず、勤めていた会社を退職せざるを得なかった人は実に多いんです。産休育休も1~2年が限度という人のほうが圧倒的に多い。職場で嫌味を言われたり、夫や義母が全面賛成ではなかったりというシーンはリアルだと思いますが、復帰や保育園入園がすんなり行く、さらにベビーシッターを雇える時点で、視聴者は“格差”を思い知らされるんです」
ドラマではワーキングマザーの実態や気持ちに寄り添い、日本社会が抱える問題をあぶり出すつもりでいるようだが、設定自体が早くも「上から目線」になっているというのだ。
ママたちからの共感はまったく得られていないだけに、初回10.2%だった視聴率も急落の危険性がありそうだ。