元タレントの上岡龍太郎さんが、5月19日に肺がんと間質性肺炎のため、大阪市内の病院で死去した。81歳だった。6月2日に米朝事務所が報告した。
1960年に横山パンチとして、横山ノック、横山フックとのお笑いトリオで「漫画トリオ」としてデビュー。「パンパカパーン! パンパンパン、パンパカパーン!」というブリッジ(ネタとネタの間にはさむ決まった言葉や動作)から時事ネタを繰り出すという新しいスタイルを確立し、関西圏で大きな人気を誇った。
トリオ解消後、上岡龍太郎として「鶴瓶上岡パペポTV」(読売テレビ)や、現在も放送されている「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)の初代局長として12年間、人気長寿番組への礎を築いた。芸能生活40周年となる2000年、かねてからの公約通り、芸能界を引退した。
その後、元相方である横山ノックさんのお別れ会で久々に姿を見せたが、それ以外は「完全な隠居生活」だったと言えよう。
「息子で映画監督の小林聖太郎氏がコメントを発表しており、『とにかく矛盾の塊のような人』という表現が、往年の上岡さんをテレビで見ていた視聴者なら思わずクスッとしてしまいそうな、実に印象的な言葉です。また、近年、明石家さんまや松本人志が『芸人引退』論を語りますが、58歳の時に実行した上岡さんはまさに先駆者と言えるでしょう」(芸能ライター)
自分の芸が「21世紀には通用しない」と公言していたというが、近年のお笑いをどう見ていたのか、ぜひとも聞かせてほしかったと思う視聴者も多かったのではないだろうか。