【らんまん】寿恵子の母親は妾になることを勧めたのか…明治時代の家族観が意外すぎた!

 母親が説いたのは「妾としての在り方」だったようだ。

 6月8日に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」第49回では、菓子店・白梅堂の娘である寿恵子(浜辺美波)が、主人公・万太郎(神木隆之介)への想いをあきらめる姿が描かれた。その陰には母親のまつ(牧瀬里穂)による助言があったという。

 西洋人をもてなす舞踏会でダンスを披露する婦女子として抜擢されていた寿恵子。舞踏会を企画する実業家の高藤(伊礼彼方)は寿恵子に、横浜に持つ小さな屋敷を与えると申し出ており、彼女を妾にしたいようだ。

 ただ寿恵子は万太郎と相思相愛であり、万太郎は自分がひとかどの人物になったら迎えに来るとまつに宣言し、寿恵子に会うのを控えていた。だがその想いは当の寿恵子にはちゃんと伝わっておらず、寿恵子は自分がいなくても万太郎は平気なんだと勘違いしていたのである。

「高藤との一件についてまつに相談した寿恵子。すると自身も彦根藩に仕えた士族の妾であったまつは、『男の人のためにあんたがいるんじゃない。あんたはあんた自身のためにここにいるんだから。いつだって自分の機嫌は自分でとること』と諭していました。このセリフに視聴者からは《名言だ!》と感心する声があがる一方で、寿恵子が高藤の妾になることを勧めるものだとして、疑問を呈する向きも少なくなかったのです」(女性誌ライター)

 たしかにまつの言葉は、女性としての在り方以前に「妾としての在り方」を説いているように感じられる。いくら自分自身も妾だとは言え、母親が自分の娘に同じ妾の立場になるよう勧めるものだろうか。

 そんなまつに不満を抱く視聴者も少なくないなか、明治16年という時代を考えれば、彼女の考え方はむしろ当然との見方もあるというのだ、

「現代でこそ倫理的に許されない妾ですが、明治初期には倫理的にはもちろん、法律的にも認められた存在でした。明治3年(1870年)に発布された刑法典の『新律綱領』では、親族の範囲を示す『五等親図』を掲載(※五親等図ではないことに注意)。夫は父母や子と並んで一等親であるのに対し、妻は二等親と定められていました。その二等親には祖父母や孫、兄弟姉妹とならんで、ハッキリと『妾』が規定されていたのです。なお妾の子である庶子は、実の子より二段階下の三等親に定められていました」(前出・女性誌ライター)

 新律綱領は明治15年に廃止され、福沢諭吉などの有力者らが廃妾論を主張していたこともあり、表面上は妾の存在が法的に裏付けされることはなくなった。

 ただ、すでに戸籍に登録されている妾の存在はそのままとされていたほか、慣習としての妾は残っており、高藤のように自ら妾をとろうとする有力者は珍しくなかったのである。

「それゆえまつは、寿恵子が高藤の妾になったとしても反対することはなかったでしょう。ただ、まつが諭した『自分の機嫌は自分でとること』は、相手が夫だろうが旦那様であろうが同じこと。この言葉を胸に刻み込んだからこそ、寿恵子は今後迎えるであろう万太郎との大変な生活を乗り越えることもできるに違いありません」(前出・女性誌ライター)

 その意味ではまつの助言は寿恵子にとって、やはり金言だったようだ。

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