先日の「サマーソニック」でも来日。昨年、あの「レット・イット・ゴー」を超えるダウンロード数で世界ナンバーワンヒットとなったファレル・ウィリアムスの「ハッピー」といえば、聴いたことのない人はいないはず。
日本でこそ「ハッピー」で全国レベルの認知度になった存在だが、アメリカでは97年に結成したプロデューサーチーム「ザ・ネプチューンズ」のメンバー時代から超有名人だ。ブリトニー・スピアーズ、グウェン・ステファニー、ジャスティン・ティンバーレイクなど、彼の手腕でヒットを飛ばしたアーティストは枚挙にいとまがないほど。そんな大スターの彼ほどの人間でも、力が及ばない雲の上のような存在がいた。それが、故マイケル・ジャクソンだ。
ファレルがすでにビッグネームだった2009年の時点で、マイケル・ジャクソンは彼のことを知らなかったという。その年に他界したマイケルは、じつは一緒にレコーディングするためにファレルをスタジオに招いたことがあるというのだが、マイケルは彼がスタジオに現れてもまるで知らない人を見ているようだったとファレルはメディアに語っている。「マイケルは『ところで、キミはスタジオ入りしたことあるの?』って言ってきたんだ。『えっ? あなたが僕を呼んだんでしょ』って言いたくなったよ」と、ファレル。そしてこう付け加えている。
「でもそんなこと言えなかったよ。だってマイケル・ジャクソンだからね」
結局、ファレルはマイケルのために何曲か提案したというものの、使用されなかったという。しかもそれらの曲は最終的にジャスティン・ティンバーレイクの元へと渡ったそうで、ファレルは自身の番組内で「彼が断った曲をジャスティンにあげることになったなんてきっと彼は気づいていなかっただろうね」と笑っている。
さらにエピソードがあった。マイケルが断わったという曲のレコーディングでジャスティンとスタジオ入りしていたときに電話があったという。
「『電話が入ってるよ、マイケル・ジャクソンだ』って言われたんだ」
ファレルは友達がからかっているんだろうって思ったらしいが、電話越しにポップコーンを食べているのがわかり「本人だった」と気づいたという。しかもマイケルからは「ジャスティンとやってるんだって? すごく良いことだね。OK! いいさ、まぁ頑張ってね。ジャスティンによろしく言っておいて!」と言われたという。
「ジャスティンも『マイケルらしいね。あの人ってそういう(意地悪なことを)するんだよね』って笑ってたよ」とファレル。“キング・オブ・ポップスター”の前には彼もタジタジだったようだ。