あなたは、毎日の暮らしの中で孤独を感じることはありますか?
国の実態調査によると、全体の5%の人が「しばしばある・常にある」と答えたそうです。そして、年代的には、いわゆる恋活・婚活世代の30代では7%がそうであり、すべての年代の中でいちばん高いパーセンテージだったそうです。
でも、高いとはいっても、「時々ある」の16%とプラスしても21パーセントです。これに対して、孤独感は「ほとんどない」30代が41%。これに「決してない」の18%をプラスすると58%にもなります。
つまり、30代という恋活・婚活世代において、孤独を感じている人のほうが圧倒的に少ないといえるわけです。これらの孤独ではない人たちが既婚か独身かというデータはないのでなんともいえませんが、どちらの人もいると思われます。
そう考えてみると、みんな孤独でないから恋愛しなくなっているのかもしれません。夫婦の場合は、相手をより求めたり優しい気持ちになれずにいたりするのかもしれません。
というのも、人は寂しくてたまらないときにこそ、誰かと一緒にいたいという【親和欲求】が湧いてくるものなのです。そんな2人が恋に落ちやすく、長く親しく付き合いやすいのです。逆に、寂しくないとなかなか恋愛願望は湧きません。現状に満足してしまうのです。
今の30代が寂しくない原因はなんなのでしょう。さまざまな理由があると思いますが、ひとつにはSNSやLINEが充実しているからではないでしょうか。いつでもお互いのことを知り合えるし連絡を取り合えるという環境なので、安心感を持ちながら暮らせているのかもしれません。Zoomもありますので、友だちともすぐに顔を見て話せます。
こうしたネット環境のおかげで孤独感から逃れて安定した精神状態を保っているとすれば、ある意味とてもありがたいことです。でもその反面、本当の自分の気持ちを“紛らわしているだけ”で、自分の本心から目をそらしている人もいそうです。目をそらしていると、どうなるか? ずいぶん後になってから気付いて後悔するかもしれません。
あなたはどうでしょうか? ときどき立ち止まって考えてみることをオススメします。自分の心の奥底で感じている、恋愛や結婚生活への願望から目をそらさないこと。それが、幸せな未来につながると思うのです。
安藤房子(あんどうふさこ) 作家・恋愛心理研究所所長。離婚を機に日本初の恋愛カウンセラーとして独立。メールカウンセラーの草分け。心と身体両面からのアプローチで婚活・恋活女子を応援。著書は韓国・中国でも翻訳出版。心理テスト作成やメディアでMCとしても活躍中。